ちいかわのキャラクターとくら寿司のロゴマークメルカリに大量出品されたくら寿司とちいかわのコラボグッズにファンはため息 Photo:JIJI

「ちいかわ」とのコラボキャンペーンをめぐり、くら寿司の従業員による不正行為が判明し、企画は全面中止となった。配布開始前の湯呑みや非売品ののぼり旗までメルカリに並ぶなど、異例の混乱が広がった。一方、マクドナルドとの2026年のコラボでは、メルカリ上で問題が起きる前の対策が取られていた。同じ騒動を繰り返さないために何が必要なのか。過去の対応を手がかりに、フリマアプリに求められる決断を考える。
(ライター 徳重龍徳)

前代未聞の「内部不正」発覚
「ちいかわ」転売の常態化

 ちいかわが、また転売の被害に遭っている。しかも今回はコラボを実施するくら寿司の従業員による不正行為なのだから、これまで以上に深刻である。

 筆者は40歳を超えた「ちいかわおじさん」ではあるが今回の件について「またか」とため息が出た。ちいかわと企業コラボが発表されれば気になるし、限定品も欲しくなる。しかし最近は楽しみより先に「また転売騒動が起きるのではないか」とどんよりした気持ちになる。その悪い予感がまた当たってしまったからだ。

 くら寿司は8月21日から、人気キャラクター「ちいかわ」とのコラボキャンペーンを始めた。食べ終わった皿を5枚入れるとゲームに挑戦できる「ビッくらポン!」でフィギュア、缶バッジなどが当たるほか、会計3000円ごとにオリジナルグッズを配布する企画も行っていた。

 ところが、キャンペーンが始まると、「何度当たってもフィギュアが出ない」という報告がSNSで相次いだ。その一方、メルカリにはフィギュアのコンプリートセットなどが次々と出品されていた。さらにSNSでは、購入者が出品者に入手方法を聞いたところ「くら寿司の店員ですよ」と言われたというやりとりまで拡散された。

 疑惑をさらに深めたのが、キャンペーン第2弾のオリジナル湯呑みだ。配布開始は9月4日だったが、その前日の3日にはすでにメルカリに出品されていた。まだ客が入手できない商品が、なぜメルカリに並んでいるのか。さらに本来は非売品であるはずのキャンペーンに使われる「のぼり旗」の出品もあった。当然、疑いの目はくら寿司の内部へ向く。

 くら寿司は9月2日に調査を開始。5日には従業員による不正行為が判明したとして、翌6日からキャンペーンを全面的に中止した。

 キャンペーン中止後も混乱は続き、一部店舗では、オリジナル湯呑みを入店できなかった客への「お詫び」として無料で配布。これにはSNSで不公平だと声が上がった。さらに、くら寿司がちいかわキャンペーン中止のお詫びとして実施した全品10%割引も、一部店舗で適用されていなかったことが判明し、後日返金対応に追われた。大手外食チェーンとしては異例の混乱ぶりだった。

 そもそも、くら寿司とちいかわの組み合わせで、こうした疑惑が浮上するのは初めてではない。2023年2月のコラボでも、キャンペーン開始前から景品がフリマアプリに出品され、当時も関係者による転売ではないかと騒がれていた。

 もちろん、転売騒動はくら寿司に限らない。2023年5月には、ファミリーマート限定の「ちいかわ」エコバッグが発売直後に売り切れ、税込1320円の商品が倍以上の価格で転売された。さらに同年9月発売のハロウィン限定「カボチャなうさぎ」のマスコットは、定価1430円に対し、メルカリで1万3333円、2点セットで2万8888円という価格でも売れた。

 2025年5月のマクドナルドのハッピーセットでは、ちいかわのフィギュアを目当てにした大量購入とメルカリでの転売が発生。さらにおもちゃだけを抜き取り、食品が放置、廃棄される画像や動画がSNSに拡散し、社会問題にまでなった。

 限定品が出れば買い占められ、すぐにメルカリに高値で並ぶ。もはや、ちいかわの転売騒動は何度目かと数えること自体に意味がないほど、恒例行事になってしまっている。