事後の削除だけでは防げない
フリマアプリに求められる決断
メルカリも何もしてこなかったわけではない。今回、くら寿司はメルカリと連携し、不正に入手された疑いのある出品の削除や、捜査機関への協力を進めると発表した。メルカリも今回の件について「くら寿司株式会社のキャンペーンに関連して、メルカリでは関連する商品の出品状況の確認や出品者の方へのご連絡など、必要な対応を進めています」と説明している。
メルカリはガイドラインで、盗品など正規ルートではない入手が確実と思われる商品の出品を禁止しており、申告された商品のシリアルナンバーや商品特徴などを照合したうえで、該当品と判断した場合は出品商品の削除や出品者への利用制限を行うとしている。とはいえ、基本的には問題が起きた後の対処だ。一方で、メルカリには問題が起きる前に転売を防いだ実績もある。
2026年5月のマクドナルドとちいかわのコラボ第2弾では、販売期間中のおもちゃの出品自体を禁止した。つまり、特定の商品を指定し、期間を区切って出品禁止にすることは技術的にも運用上も可能なのだ。
今回のくら寿司の件では、不正にメルカリに出品した人間が最も悪いが、マクドナルドの時と同様にキャンペーン期間中に出品禁止にしていれば、今回の悲劇は起こらなかったのではないか。
もちろん、一般の商品を購入し、価格を上乗せして売る行為を一律に禁じる法律はない。ただ「違法ではない」と「プラットフォームは何もしなくていい」は、まったく別の話だろう。ましてメルカリは、売買が成立するたびに販売手数料を得るビジネスモデルだ。転売が行われる場所を提供している以上、単なる傍観者とも言いにくい。
メルカリ自身も、法律だけでは判断できないものについては、独自の基本原則に基づいて判断するとしている。実際、これまでマスクや備蓄米、ハッピーセットのおもちゃなどを出品禁止にしてきた。ならば、もう一歩踏み込んでもいいのではないだろうか。
例えばちいかわに限らず、企業が実施する数量限定キャンペーンの景品については、少なくともキャンペーン期間中は出品を禁止する。転売する人間をゼロにすることはできないだろうが、それでも、国内最大級のフリマサイトですぐに換金できる道を一時的にでも閉じれば、買い占めや横流しで利益を得ようとする人間は減るはずだ。
そうすれば、本当に欲しい人が限定品を手に入れられる可能性も高まる。そしてキャンペーン終了後に出品を解禁すれば、不要になったものや、ダブってしまったものを売るというフリマ本来の役割も守れる。
さらに徹底して転売を防ぐのであれば、配布開始前に出品された商品や、不自然な大量出品が確認された商品については、キャンペーンを実施する企業と連携し、一時的な出品禁止を検討するという対応もできる。
自分の“推し”が転売されるたびに、メルカリに怒りを持つ人は増えている。そろそろ転売への抜本的な対策を打ってもいい頃ではないだろうか。







