『どこも同じ』再開発への批判を防ぐには?

「池袋という街全体に人の流れをつくるという大きな方向性は、2030年以降の再開発でも変わらないでしょう。ただ、駅直結の商業地という賃料の高いエリアで開発する以上、採算性を確保する必要があり、建物の規模や形などは、これまでとは異なるものになる可能性もあります」

 2030年着工分は、大規模な複合ビル3棟を整備し、ホテルや商業施設、住宅に加え、アート・カルチャーの発信拠点なども設ける計画だ。そこで懸念されるのが、「テナント構成」だと谷頭氏は指摘する。

「テナント選定を誤れば、渋谷や新宿にある一部の再開発ビルのような『建物は真新しいけど人がいなくてガラガラ』という事態になりかねません」

 池袋は、西武百貨店と東武百貨店という2つの百貨店を核に発展してきた。しかし、西武池袋本店の大改修と「ヨドバシカメラ マルチメディア池袋」の開店を巡っては、一時は豊島区や周辺事業者との対立が報道されたのは周知のとおり。

「各事業者や豊島区がそろって同じ方向を向くことで、それぞれの施設に人を集めるだけでなく、施設同士を歩いて行き来できるような動線をつくれるか。それが、『どこも同じような街になる』という再開発への批判を避けるため特に重要ではないでしょうか」

「雑多さ」という最大の武器を活かせるか

 百貨店、芸術劇場、アニメやマンガなどのサブカルチャー、歓楽街、さらには中華街まで――。これほど多様な要素が混在していることこそ池袋の強みだと谷頭氏は分析する。

「再開発によって街がひとつのイメージに集約されてしまうと、逆に池袋の強みが失われかねません。慎重なハンドリングが必要です」

「地形や既存インフラ、鉄道の入り方などの制約がある以上、全てを理想通りにするのは難しいでしょう。しかし、うまくピースがはまっていけば、新宿・渋谷よりも人が集まる、人気の街に生まれ変われるかもしれません」

「これまで池袋は新宿・渋谷の後を追うイメージがありましたが、今後の再開発を経て、歩いて楽しい街になっていけば、立場が逆転する可能性も十分あるでしょう」

 雑多な池袋らしさを活かした進化を遂げ、「新宿・渋谷超え」を果たせるのか。