実は新型パジェロ発表会は、岸浦恵介新社長のお披露目も兼ねていた。「パジェロこそスリーダイヤブランドのフラッグシップモデル」であり、同社が主力とするタイ工場での生産、世界戦略車へ切り替えたことを、新トップが発信する狙いがあったのだ。

 5月に公表した中長期ビジョンでも、「四輪駆動技術で尖った商品へ」と打ち出している。この領域ではトヨタのランドクルーザーが納期待ちになるほど大人気。新型パジェロがどれだけ対抗できるか見ものである。

 一方で、日産との関係も大きな関心事となっている。8月31日、ホンダと日産が次世代車の頭脳となるソフトウェアを共同開発することで合意した。これを受けて、三菱自も合流する方針をコメントしている。ルノー×日産から、ホンダ×日産にシフトしつつあることで、そこに三菱自が加わるのか常に注目されるようになった。

 そもそも日産による三菱自への資本参加は、三菱自の救済と同時に、ゴーン氏の野心がそうさせたと言われている。要するに、ゴーン氏は日本を代表する企業群である三菱グループと関係を持ちたかったわけだ。

 現在の三菱自の株主構成は、筆頭が日産で26.67%、2位が三菱商事で22.23%。この10月、日産との資本提携10年を迎え、日産が三菱自株を他社に売れないロックアップ(売却制限)契約が切れる。つまり、三菱自と日産の資本関係が見直される可能性がある。資金繰りを改善したい日産が現金確保に動くかが焦点だ。

 実は、1990年代前半に三菱銀行(当時)主導で、三菱自とホンダの資本提携が水面下で動いたことがある。日産に代わって、そのような因縁のあるホンダとの資本提携が再燃し、ホンダ・三菱自・日産の3社連合が明確になるかもしれない。

 新型パジェロの売れ行きもさることながら、三菱自動車の経営の行方も見逃せない。

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