身の回りには、「よくあることなのに、うまく説明できない」という現象が意外と多い。そんなモヤモヤした出来事に出会ったとき、言葉をうまく使える人はどのように捉えているのだろうか。実は、ちょっとした言葉の使い方によって、物事の見え方が変わることがある。本記事では、子どもも読めて、大人に刺さる『小学生でもできる言語化』をもとに、「言語化がうまい人がやっている意外なこと」について、ライターの小川晶子氏にご寄稿いただいた。(企画/ダイヤモンド社・秋岡敬子)
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「耳が聞こえなくなった!」と焦った息子の話
「やまみみ」。
小学生の息子がある現象につけた名前だが、何のことだかわかるだろうか。
答えは、山道を車で走っているときに耳が聞こえづらくなる現象。
耳の中の気圧と外の気圧にズレが生じて聞こえにくくなるが、つばを飲んだりすると治るあれである。
一般的な名称ではなく、家族の中でしか通じない言葉だが、うまいこと名付けたなと思った。
最初は「耳が聞こえなくなった!」と焦っていた息子は、「やまみみ(山耳)」と名付けたことで「ああ、いつものやまみみだね。落ち着いて、つばを何度か飲むうちに治るから大丈夫」と思えるようになったのだ。
「よくわからないこと」は不安になりやすい
現象に名前を付けるといえば、本屋にいるとなぜかトイレに行きたくなるという「青木まりこ現象」が思い浮かぶ。
名前の由来は、1985年の『本の雑誌 40号』(本の雑誌社)読者欄に青木まりこさんという方が本屋にいると便意を催すという趣旨の投稿をしたことが発端だ。
「そうそう、そういうことある!」と思った人たちがいて、投稿者の名前をとって「青木まりこ現象」としたわけだ。
名前が付いたことにより、安心して対処できるようになった人もいたことだろう。
言語化すると、次の行動につなげやすくなる
ベストセラー『小学生でもできる言語化』の中では「言語化のすごい力」のひとつとしてこう紹介されている。
まだ名前のついていない新しいものや現象を言語化して、ひとくくりにするような名前をつけることで、その新しいものや現象をはっきりと認識できるようになって次の行動につなげやすくなります。
――『小学生でもできる言語化』より
不安になったときこそ、「言葉」にしてみる
本書で例として挙げているのは「推し」だ。
人にすすめたいほど気に入っているものを「推し」と名付けたことによって活動が認識され、共感を呼びやすくなった。
「推し」のような大きなキーワードでなくても、身近な現象に名前を付けることができると面白い。
息子の「やまみみ」はその例だ。
「こういう現象、あるよね」と思うものがあったら、名づけてみてはどうだろうか。









