年齢を重ねても、驚くほど頭の回転が速く、「この人、まったく衰えないな」と感じさせる人がいる。一方で、一般的には年齢とともに頭の働きも衰えていくイメージがある。この違いは、いったいどこから生まれるのだろうか。本記事では、子どもも読めて、大人に刺さる『小学生でもできる言語化』をもとに、「50代を過ぎても頭の回転が速い人がやっていること」について、ライターの小川晶子氏にご寄稿いただいた。(企画/ダイヤモンド社・秋岡敬子)

50代を過ぎても「頭の回転が速い人」がやっていること・ベスト1Photo: Adobe Stock

あるキレッキレの研究者の話

 初めてお会いしたときは40代だったか、キレッキレの語りでご自身の仕事を教えてくれた研究者がいる。
 私は取材者としてその場にいたのだが、立場を忘れて聞き入ってしまった

 20年ぶりにお会いすることになり、失礼ながら「60代ともなるとさすがに衰えがあるのでは」などと思っていた。

 とんでもなかった。
 1ミリも衰えを見せず、むしろ以前より冴えている!というくらいだった。

「いくつになっても、頭の回転が速い人」がやっていること

 頭の回転の速さは、年齢とともに衰えると思われがちだ。

 しかし、心理学者レイモンド・キャテルによれば、人間の知能は「流動性知能」と「結晶性知能」の2種類があり、このうち「結晶性知能」は年齢とともに高まっていく。
 50~60代をピークに、その後も高い状態を保つことができるといわれている。

 結晶性知能とは、これまでの経験、学習によって得た知識、言語能力、判断力、洞察力などのことだ。

 経験によらずに新しいアイデアをひらめいたり、パターンを見つけたりといった頭は確かに衰えていくが、経験を言語化して人に伝える能力は高まっていくわけである。

 60代でもキレッキレの人は、経験から感じたこと、学んだことを言語化する能力に長けていた
 だから一切衰えないどころか、ますます冴えているように思えたのである。

言語化するために必要な3ステップ

 では、経験から得たことを言語化するにはどうしたらいいのだろうか。
 ベストセラー『小学生でもできる言語化』では、シンプルな3つのステップで解説している。

①考える・感じる
②言葉のブロックで組み立てる
③完成させる

――『小学生でもできる言語化』より

 たとえば、「インタビュー記事を書く仕事では、インタビュー後の素材をどう組み立てて読みやすくするかが重要だと思われがちだが、実は準備が8割なのだよなぁ」と思っているとする。

 では、どんな準備が必要なのか、過去にうまくいった仕事の例や失敗例など、思いつくことをどんどん言葉にしていく。
 これが「①考える・感じる」の段階。

 次に、今思いつく限り出した言葉の中で、これだけは外せないという主役を決める。
 たとえば「相手のことを調べておくのが大事」というのを主役にしつつ、「インタビュー記事を書くときの心得は……」と話を組み立てていく。
 これが「②言葉のブロックで組み立てる」。

 そして、組み立てた文章が本当に伝わるかチェックする。
 本書では「お試し再生」と呼んでいる。
 書かれた言葉だけから浮かんでくる内容を頭の中で再生するのがいいということだ。
 こうしたプロセスを踏んで「③完成させる」ことになる。わかりやすく伝えられる状態になるはずだ。

年をとっても「冴えている人」になろう

 年齢を重ねるほど、その人固有の経験は多いもの。
「言わなくてもわかるだろ」「見て学ぶもんだ」というのではもったいない。

 経験を言語化し、上手に伝えることができれば、下の世代へのギフトとなる。

 そして、いつまでたっても衰えを感じない「冴えている人」と思われるに違いない。