このケースでは、「迫害者」「救助者」「犠牲者」という3つの役割がいつの間にか入れ替わり、感情の逆転を伴うドラマが展開されてしまっていたのです。
このタイプの人と接するうえでよくあるのが、最初のうちは、相手の話を長時間かけて熱心に聞き、「困ったことがあれば自分が力になる」と言い、一気に盛り上がってしまうものの、相手が次第に依存的になってくると疲れてしまい、途中で投げ出してしまったり、突き放してしまったりする(注4)というパターンです。
つまり、先ほど述べたドラマ・トライアングルが展開されてしまうと、Bさんの中で「人は結局、さいごには自分を見捨てるのだ」という不幸な人間観を強化させてしまうことになります。
またこのタイプの人は、一旦、心を許すと、自分の心の傷や不幸な経験などをすぐにさらけ出し始めるという特性があります。それを場当たり的に聞きすぎると、相手はより不安定になります。相手も聞き手(相談者)も感情の渦にのみ込まれ、共倒れしかねない(注4)ため、注意が必要です。
では、どう対応すれば良いのでしょうか?
自分の力量を超える相談は
最初から抱え込まない
大切なのは、相談者自身が「迫害者」「救助者」「犠牲者」のどの立場にも陥らないように意識することです(注1)(注2)。
そのためには、場当たり的に相談に乗るのではなく、仮にその関わりが長期にわたり続いても、自分の限界を超えないような無理のない設定をし、それを方針として相手に伝えておくことが重要です。
熱心に関わる前に、「この関わりを5年、10年と続けられるか」を自分に問いましょう。
長期間にわたり一定の態度で接し続けるためには、関わり方の方針や限界をあらかじめ明確にしておくことが大切なのです(注1)(注5)。
(注4)岡田尊司『パーソナリティ障害――いかに接し、どう克服するか』PHP新書、2004年。
(注5)蝦名玲子『困難を乗り越える力――はじめてのSOC』PHP新書、2012年。
(注5)蝦名玲子『困難を乗り越える力――はじめてのSOC』PHP新書、2012年。







