若手にプライベートな話をふるのは、実はNG行動。それどころか雑談や社交辞令すら苦手だという若手も増えているという。実は「仕事の話」や「時事ネタ」でも、質問の仕方さえ間違えなければ十分仲良くなれるのだ。※本稿は、伊藤誠一郎『部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです 若手社員は「肯定」と「言語化」で自ら動き出す』(日本実業出版社)の一部を抜粋・編集したものです。
上司や先輩にプライベートを
話したくない若手は多い
上司世代と若手社員の間には、いろいろと違いばかりが目立ちます。とはいえ、同じ職場で一緒に仕事をするわけですから、お互いについて知ることはとても大切です。
上司や先輩は、若手について少しでも理解できれば、仕事上でのコミュニケーションに活かせるでしょう。
ただ、上司や先輩が若手とのコミュニケーションでついやってしまいがちで、注意してほしいのは休憩時間や移動中などにプライベートな話題から入ろうとすることです。
「趣味は何なの?」「休みの日は何をしてすごしているの?」「スポーツは何かやるの?」「お酒は飲むの?」などが定番のネタとして挙げられます。
しかし、若手とプライベートな話題から仲良くなろうとするのはやめてください。
上司や先輩にプライベートなことを話したくないと思っている若手は少なくありません。若手は内心、上司や先輩からそんな質問もされたくないですし、「そもそも仕事に何の関係があるのか?」と思っています。
また、最近の若手は、当たり障りのない雑談や社交辞令といった表面的に話を合わせることが苦手です。上司や先輩の言葉を真面目に受けとめ、たとえ仕事以外の話題であっても詳しく正確に答えなければならないと考える傾向にあります。
したがって、若手にプライベートな質問をしてしまうと、詳しく知りたがっているという嫌悪感を持たれることになりかねないのです。
また、今の時代、若手社員には「飲みニケーション」というのも通用しません。
上司や先輩と一緒に飲みに行くというのは、勤務後は自分のために時間を使いたい若手の意に反するからです(上司や先輩と飲むのを好む若手も中にはいますが、昔のように多数派ではないでしょう)。
昔と今の若手とのコミュニケーションの違いのわかりやすい例として、マンションやオフィスのセキュリティをイメージしてください。昔は飛び込み営業が簡単にできたほど心理的にも空間的にも出入りが自由でした。ところが今は、万全のセキュリティで入口すら入れません。
プライベートな話題に対する若手社員の意識もこれと同じように考えてください。若手社員は若手同士での情報交換であればSNS感覚で活発に行いますが、そのエリアに年長者が介入してくることに大きな違和感を持ちます。