15世紀末、ヨーロッパと南北アメリカの交流が始まると、動植物や食料、家畜、病原体が大西洋を越えて行き交った。これを「コロンブス交換」という。ジャガイモやトウモロコシは人々の食生活を支えた一方、天然痘や麻疹は先住民社会に深刻な被害をもたらした。世界の歴史を大きく変えた交流を『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からのアメリカ史』から見ていく。(ダイヤモンド社書籍編集局)
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コロンブス交換
1万年以上ものあいだ、南北アメリカとそれ以外の世界は、動植物が交わることがなかった。トウモロコシやジャガイモは南北アメリカにしかなかったけれど、ヨーロッパに持ち込まれると安定した栄養源になり、人口の爆発的な増加につながった。
ヨーロッパからは、小麦や大麦、ブドウ、タマネギのほか、牛や豚、馬といった家畜が持ち込まれた。馬がいることは大きな強みになるので、先住民に馬を与えたり、売ったりすることは法律で禁じられていた。それでも、馬や馬術が多くの先住民の社会に広がるのを防ぐことはできず、彼らの文化はこの新たな道具によってさま変わりした。
一方で、ヨーロッパから持ち込まれた牛や豚は、先住民の畑の多くを荒らす原因になり、しばしば争いをもたらした。
また、やっかいなものも、大西洋を一緒に渡ってきた。植えつけ用の種の袋には、タンポポなどの雑草もまぎれていたし、ヨーロッパ人と一緒に、さまざまなウイルスや菌も上陸した。天然痘や麻疹、インフルエンザといった病気は、ヨーロッパではよくある病気だったけれど、ある程度免疫ができていたので、致命症になることはだいぶ減っていた。
ところが、アメリカの先住民たちには、そんな免疫はなかった。こうした病気は、ヨーロッパ人との接触をきっかけに、先住民にあっという間に広まり、天然痘は村を消滅させた。推定では、南北アメリカの先住民の約90パーセントが、これらの病気のせいで亡くなった。
動植物やウイルス、細菌が、こんなふうに交わることは、コロンブス交換またはおおいなる生物学的交換と呼ばれる。










