目に見えないほど小さな「電子」に重さはあるのか、そしてそれをどうやって量るのか。物理学者ミリカンの実験によって電子の電荷が特定され、先行研究と組み合わせることで「電子の質量」が計算によって見事に証明された。この世紀の発見は、ノーベル物理学賞を受賞するほどの偉業となる。見えない謎をいかにして解き明かしたのか、『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの化学』から紐解く。
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電子の理論の発展
電子も物質の一種である。すべての物質は質量を持っているのだから、電子も質量を持っているはずだ。
しかし、電子のような小さい物体の質量はどうやって量ればいいのだろうか?
R・A・ミリカン
1909年にR・A・ミリカンが、電子1個の電荷の大きさを決定する実験をおこなった。

ミリカンは油滴に負の電荷を帯電させた。
そして、2枚の金属板のあいだに発生させた電場の中で油滴が静止して漂うためには、金属板のあいだにどれだけの電圧をかければいいかを測定した。
油滴にかかる重力と電気力を釣り合わせることで、電荷の大きさを決定するというアイデアだ。
ミリカンは何度も実験をおこなった末に、電子の電荷は-1.592×10^-19 Cであるという結果を得た。
そして、トムソンのはじき出した電子の比電荷を使って、電子の質量を次のように決定した。

電子と陽子の持つ電荷を素電荷(eまたはq)といい、現在得られている値は1.602×10^-19 Cである。
この陽子の電荷と、陽子の比電荷を用いて計算をおこなうと、陽子の質量は1.673×10^-27 kgであると求められる。
ジェームズ・チャドウィック
ジェームズ・チャドウィックは、ラザフォードの発見した原子核の研究に生涯を捧げ、原子核の内部には陽子のほかに、電荷を持たない小さな粒子が存在することを明らかにした。
そしてその亜原子粒子を中性子と名付けた。




