45℃といえば熱めのお風呂の温度です。屋外での長時間の活動はまず不可能でしょう。
猛暑日は夏だけでなく
春や秋にも広がっていく
この予報図は、気候モデルを用いて科学的に予測される、ありうる将来の1例ですが、その根拠となった元の予測情報がどのようなものであったかを、以下で詳しく見ていきたいと思います。
将来、世界平均気温が産業革命時から2℃、もしくは4℃上昇した際の日本の各地点の猛暑日日数はどのように変化するのでしょうか。
猛暑日とは日最高気温が35℃を超えた日のことを意味しますので、猛暑日の増加も夏季を中心に大きな値が予測されています。
1980年から1999年の、年間の猛暑日日数の全国平均値を基準として将来の変化を見積もった研究があります。
それによると、2050年頃に到達すると予測される+2℃の温暖化レベルでは、北海道を除く地域ではほとんどの地点で最大9日程度の猛暑日の増加が予測されています。
2100年頃に到達する可能性のある+4℃の温暖化レベルになると、北海道を含むほぼすべての地点で猛暑日の増加が予測されており、西日本の多いところでは猛暑日が1カ月以上増加するという深刻な状況が予測されています。
もちろん、東日本でも猛暑日は増加します。たとえば、1994年の夏はとくに暑い夏としてさまざまな記録が残っており、埼玉県熊谷市では猛暑日が計40日間観測された記録があります。
したがって、同じような猛暑の夏が将来発生すると、熊谷市では+2℃の温暖化で年間50日弱、+4℃の温暖化で2カ月以上の猛暑日が続くという計算になります。
また温暖化レベルが上がると、夏だけでなく春や秋にも猛暑日が観測される日が増えてくることも予測されています。
年間の約3分の1の夜が
熱帯夜になる可能性も
近年の夏の暑さの異常な状況が我々の日常生活にも多大な影響を与えていることは多くの皆さんが身をもって実感していることだと思いますが、このような厳しい暑さが春から秋までさらに長期間持続することになるかもしれないという未来の日本を想像すると、地球温暖化問題が他人事ではないということを改めて思い知らされます。
熱帯夜の日数も将来増加することが予測されています。熱帯夜とは、1日の最低気温が25℃を下回らない日の夜として定義します。世界平均気温が2℃もしくは4℃上昇した際の熱帯夜の日数の将来変化は、猛暑日と同様、夏から秋にかけて顕著な増加が見られます。
『異常気象の科学 猛暑・豪雨・大雪のしくみと将来予測』(今田由紀子、講談社)
その増加のペースは猛暑日日数の約2倍であり、4℃の気温上昇では、多いところで2カ月以上、熱帯夜の期間が増えることが予測されています。
それらの地域には関東地方や近畿地方など人口が集中する地域が含まれており、多くの人々の生活に大きな影響を及ぼすことが予想されます。前述した1994年の夏には、大阪府大阪市で年間の熱帯夜日数が59日間という記録が残っています。
したがってこのような異常な夏が将来発生すると、+2℃の温暖化では2カ月以上、+4℃の温暖化では年間の約3分の1の日の夜が、熱帯夜になってしまう可能性があります。
熱中症の発生を時間帯別に分析した疫学のデータでは、日中よりも夜間に熱中症を発症する割合が高いという分析結果もあります。夜間の熱中症は室内環境が重要ですので、熱帯夜が増加したからといって必ずしも熱中症患者が増加すると言えるわけではありませんが、重要な要因の1つであることは間違いありません。







