Photo by Shotaro Imaeda
空調業界では、日立製作所やパナソニック ホールディングスといった大手電機メーカーが主要プレーヤーに名を連ねている。だがそんな中、ダイキン工業は、事実上の空調専業メーカーとして成長を続け、空調の世界トップメーカーとなった。特集『絶対王者ダイキンの死角 空調グローバル大戦の行方』の#1では、ダイキンのグローバル戦略を支えてきた「二大施策」を公開するとともに、盤石に見えるダイキンが抱える構造的な問題を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
空調“専業”のダイキンが世界トップに!
5期連続最高益でもアクティビストの要求は過激に
地球温暖化により各国で平均気温が上昇する中、家庭やオフィスに設置するエアコンの需要は年々高まっている。さらに近年では、大量の熱を放出するデータセンターの冷却用途で空調設備のニーズがうなぎ上りとなっており、空調市場は活況を呈している。
グローバルの空調市場で日本勢のプレゼンスは高い。日立製作所やパナソニック ホールディングスといった電機メーカーが日本国内のみならず米国や欧州で事業を拡大させている。
それらの大手電機各社を差し置いてグローバルの“空調世界王者”に君臨しているのがダイキン工業だ。飛行機のエンジンを冷却する「ラジエーターチューブ」を祖業とするダイキンは、日本で初めてパッケージエアコンやビル用マルチエアコンを発売するなど、空調メーカーとしてグローバルトップ企業にまで成長を遂げた。現名誉会長兼グローバルグループ代表執行役員の井上礼之氏が社長に就任して以降、空調事業に注力して業績を伸ばし続け、年間5兆円を売り上げるまでに成長した(井上氏のカリスマ経営については本特集の#2以降で詳述予定)。2025年度には5期連続で過去最高益を更新し、26年度も増益となる見通しだ(下図参照)。
かつては小さな町工場に過ぎなかったダイキンは、いったいなぜ空調王者の座に上り詰めることができたのか。詳細は次ページで述べるが、その鍵はダイキン独自のグローバル戦略にある。
一方、ダイキンは近年、アクティビストから厳しい要求を突き付けられている。今年4月には、米エリオット・インベストメント・マネジメントから1兆円の自社株買いなどを求められていることが明らかになった。5期連続で最高益更新中のダイキンの経営には、どんな不安要素があるのだろうか。
次ページでは、ダイキンのグローバル戦略を支えてきた「二大施策」を解明するとともに、盤石に見える同社が抱える構造的な問題を明らかにする。








