エネルギー高に困惑する米企業「価格設定どうすれば」Photo:Joe Raedle/gettyimages

 最新の米インフレデータは、物価が依然として上昇し続けており、そのペースが速すぎることを示した。しかし、米国の企業経営者や政策担当者は、より面倒な問題に直面している。高いエネルギーコストは一時的な厄介事で通り過ぎるのを待てばいいものなのか、それとも今すぐ値上げを必要とする長期的な経済の現実なのか、という問題だ。

 その答えは米経済にとって重要な意味を持つ。

 米連邦準備制度理事会(FRB)は今週、インフレ抑制のため利上げに踏み切ると広く予想されている。ただ、経済の多くの部分は、企業の意思決定者たちが自らの経済的なレバーをどう操作するかによっても左右される。一部の企業は、外部からの価格ショックが近いうちに落ち着くとの見方から、現状維持の姿勢を保っている。一方で、高いエネルギーコストと貿易戦争による変動がすでに経済に定着したと確信し、もはや価格を安定させる余地がないと考える企業もある。

 メリッサ・フロリオ氏が夫と経営する会社アンビックス・マニュファクチャリングは、配電会社にプラスチック部品を販売している。同氏は以前、急騰するコストが落ち着くと予想し、価格を低く抑えていた。

 しかしここ数カ月、アンビックスの製品に使われる樹脂の価格を原油価格が押し上げ続けたことで、フロリオ氏の見方が変わった。同氏はもはやイラン戦争を一時的な価格ショックとは見なさず、コストを安定させる上で長期的な障害だと捉えている。

 最近では仕入れ先が値上げすると、その負担を顧客に転嫁している。フロリオ氏はこの夏、高圧送電線用のプラスチック絶縁体をはじめとする全製品の価格を10〜21%引き上げた。

「限界点に達した」と同氏は述べた。「もはやそのコストを自社で吸収することはない」

 一方、今こそ価格を低く抑えるべきだと考える企業もある。競合他社に打ち勝ち、コストに敏感な顧客をつなぎとめられる。インフレが後退すれば利益率は回復するというわけだ。