一方で、途中駅での乗り換えが必須のJR埼京線、西武線、京王線などの路線では「赤い駅」が少なめです。

 不動産情報サイトなどがたびたび実施している住まい探しに関する意識調査では、住みたい街を決める際に「通勤時間」と「乗り換え回数の少なさ」を重視する回答者が多いのですが、そのような傾向が実際の流動データにも表れていると言えるでしょう。

 通勤アクセスを意識する傾向は、他の統計データ(国勢調査)からもわかります。

 ここで、「大丸有エリア」が位置する千代田区、中央区への通勤・通学率マップを見てみましょう(図2)。

図2 千代田区・中央区への通勤・通学率(2020年国勢調査)同書より転載 拡大画像表示

 こちらは東京都が公表する「令和2年国勢調査 東京都区市町村町丁別報告」のデータを町・字ごと(例:江東区豊洲)に集計したものです。

 大丸有への通勤者に限定したデータではないため、先ほどの図1とは単純に比較できませんが、やはり千代田区や中央区(東京駅・大手町駅・日本橋駅・九段下駅・神保町駅・秋葉原駅など)へのアクセスが人々の住む場所の選択に影響していることが見えてきます。

同じ田園都市線でも
通勤先は大きく違う

 また、同じ路線でも区間によって「大丸有エリアへの通勤定期券の発売比率」が異なることにも要注目です。

 例えば、東京都内の東急田園都市線では二子玉川、用賀、桜新町、駒沢大学の4駅で大丸有エリアへの通勤定期券の発売比率が5%を超えていますが(最多が桜新町駅の7.5%)、都心寄りの三軒茶屋では4.6%、池尻大橋では4.7%と低めです。

 通勤定期券の行先上位を見ると、桜新町と駒沢大学からは渋谷に次いで大手町が多く(半蔵門線直通)、対して三軒茶屋では二子玉川が、池尻大橋では市ケ谷と霞ケ関が目立ちます(図3)。

図3 桜新町駅、駒沢大学駅、三軒茶屋駅、池尻大橋駅からの通勤定期券の行先が多い駅ランキング同書より転載 拡大画像表示

 これは何を意味しているのでしょうか?