そのカギとなるのが、住民の年齢層と職種の違いです。二子玉川~駒沢大学は、一戸建てや分譲マンションが並ぶ落ち着いた住宅地で、30代以上の住民が多く、卸売業(商社)や金融業、保険業の従業者比率が高めです。

 対して三軒茶屋から池尻大橋にかけての一帯には20代の住民も多く、IT、メディア、広告といった新興産業の従業者比率が高いのが特徴です。

 勤務先を特定できるデータはありませんが、1つの可能性として考えられるのが、二子玉川に本社を置く楽天グループ株式会社の存在です。三軒茶屋から二子玉川への通勤定期券所有者346人(2021年12月時点)のうち、同社へ通勤する人が一定数いるものと推測されます。

 もう1つ見逃せないのが、公務員住宅の存在です。池尻大橋駅と三軒茶屋駅の間に広がる一帯は、かつて駒沢練兵場などの軍用地が広がっていた広大な国有地であり、戦後、その跡地が公務員住宅として利用されてきました。

 現在もここには公務員とその家族が約2400人(2020年国勢調査)居住しており、その一部が市ケ谷(防衛省本省の最寄り駅の1つ)や霞が関(各省庁)などに通勤しているものと考えられます。

丸の内と新宿では
通勤圏の形がまるで違う

 次に、「新宿エリア」への通勤圏も見てみましょう(図4)。

図4 新宿エリアを区間終了駅とする通勤定期券の販売枚数同書より転載 拡大画像表示

 区間終了駅には、西新宿の高層オフィス街に近接する新宿駅、西武新宿駅、新宿西口駅(都営大江戸線)、都庁前駅(都営大江戸線)を選定しました。

 また、比較のために新宿区、渋谷区への通勤・通学率も町・字別に集計してみました(図5)。

図5 新宿区・渋谷区への通勤・通学率(2020年国勢調査)同書より転載 拡大画像表示