心を追いつめる2つの「絶対NGワード」
モチベーションが低下し、不調に陥っている部下に対して、上司がよかれと思って口にしてしまう絶対NGワードが2つ存在します。
1つ目は、「君には期待しているから、頑張れ」という言葉です。
一見すると相手の能力を評価し、奮起を促すポジティブな言葉に思えます。心身ともに健康で、エネルギーに溢れ、エンゲージメントも高い状態であれば、よし、期待に応えようと前向きな力がわいてくるかもしれません。
しかし、エネルギーが枯渇し、頑張りたくても頑張れない状態にある部下にとっては、重いプレッシャーにしか感じられません。
上司からの期待に応えなければならないという強い責任感と、今の自分にはそれに応えるエネルギーも能力を発揮する余裕もないという現実のギャップに苦しみ、とくに真面目な部下ほど、自分が期待を裏切るダメな人間だと思い込んで、強い罪悪感を感じ、自分を責めてしまうのです。
2つ目のNGワードは、「何が原因なの?」という質問です。
職場の人間関係なのか、仕事の難易度や量なのか。一般的に問題が起きたときに原因を特定し、解決策を探るのは、ビジネスの定石とされています。しかし、メンタルやモチベーションの低下時に、この言葉は害にさえなりえます。
「原因探し」に潜む心理的な罠と反芻思考
「何が原因なの?」という問いは、明確に説明できる単一の原因が存在するはずだという前提に立ったものです。しかし、人間の心や体の反応はそれほど単純ではありません。
特別な出来事や明確な理由がなくても、モチベーションが落ちることはよくあります。睡眠不足や慢性的な疲労の蓄積、栄養バランスやホルモンバランスの乱れ、自律神経の失調、季節の変わり目など、体の微妙な不調がそのまま気力の低下として心に現れるケースも多いものです。
「心身相関」と言われる通り、心と体は互いに強く影響し合っています。本人自身もなぜかわからないけれど、どうしてもやる気が出ないというのは別に珍しい事態ではありません。
職場以外のプライベートや気質、生理的要因に端を発していることあります。
職場の人間関係や仕事内容だけをどれほど分析しても、最初から原因を特定しようがないケースも多々あるのです。
そうした状態の部下に「何が原因なの?」と尋ねると、脳は質問の答えを探し始めます。







