当初2~3日は「衝撃期」と呼ばれ、がんだと突然知らされて、パニックになる時期です。「何かの間違いでは」と事実を否認することもありますが、これは衝撃から身を守る防御反応のひとつです。
次に訪れるのが「不安定期」です。「なぜ自分だけが」という怒り、「長く生きられないのでは」という不安、家族への思いなど、さまざまな気持ちが交錯する時期が1~2週間続きます。やがて現状を受け入れ、道を探り始める「適応期」へ。次第に自分を取り戻し、がんと向き合い、治療に取り組む気持ちに変わります。
なかには、挫折感、孤独、将来への不安などから気持ちが落ち込み、うつ状態や、適応障害になる人もいます。「誰とも話したくない」「眠れない」といった症状が数週間以上続く場合は、心の専門家への相談をお勧めします。
治癒を目指せる時代でも
不安な気持ちは消えない
かつては、「がんになったら死んでしまう」というイメージがあったと思います。しかし医療の進歩によって、近年では6割以上の患者さんが治癒を目指せるようになりました。早期発見すれば完治することも多いのです。とはいえ、当事者の気持ちは複雑で、人には言えない負担や悩みを抱えています。
がんと診断された人の悩みは大きく4つに分かれます。「診療上の悩み」「身体の苦痛」「心の苦悩」「暮らしの負担」です。
(1)診療上の悩み(病院や医師の選択、インフォームド・コンセントやセカンドオピニオンへの対処、医療スタッフとの気持ちの温度差、病状の理解困難)
がんと診断されたばかりの患者さんは、医療スタッフの指示に従って行動する病院のルールに戸惑い、医師が使う専門用語も理解できずに混乱することが多い。がんが進行して症状が強くなっていく場合は、医療スタッフへの信頼感が損なわれることも。
(2)身体の苦痛(痛み、症状、合併症、副作用、後遺症)
手術の痛みは、数カ月後まで残ることがある。胃がん、膵臓がん、大腸がんの手術後は消化管機能が影響を受け、食べられなくなったり下痢が増えたりすることも。放射線療法では、患部そばの臓器に障害が出て後遺症に苦しむ患者さんもいる。治療後数年たってから副作用が出ることもある。
※薬物療法の副作用は、薬剤の組み合わせで違う。30種類以上の副作用がある。







