「将来が不安だから、できるだけお金を使わずに貯めておきたい」。そう考えるのは自然なことだ。貯金があれば、病気や失業など、思いがけない出来事にも備えられる。しかし、将来を心配するあまり、今しかできないことまで我慢し続けてしまう人もいる。お金はあとから貯められても、時間や経験は取り戻せないことがある。では、年を重ねてから「もったいなかった」と後悔しないためには、お金とどう付き合えばいいのだろうか。『人生は気づかぬうちにすぎるから。「自分第一」で生きるための時間術』から、そのヒントを紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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「目的のない貯金」を若いときにしていないか?
「若いうちから、できるだけお金を貯めておきたい」
そう考える人は少なくない。
将来、何が起こるかわからない。
転職や結婚、子育て、病気、親の介護など、思いがけず大きなお金が必要になることもある。
若いうちから貯金する習慣をつけることは、もちろん悪いことではない。
ただ、「使う目的はないけれど、減るのが不安だから」と、必要以上にお金をため込み続けてしまう人もいる。
行ってみたかった旅行。会いたい人との食事。前から始めたかった習い事。
「今は我慢して、余裕ができたら」と先延ばしにするうちに、仕事は忙しくなり、体力や環境も変わっていく。
お金は残っていても、そのときにしかできなかった経験は、あとから取り戻せないかもしれない。
年を重ねて後悔する「もったいない貯金」。
それは、若いときに目的もなく貯金し、人生の楽しみまで先送りにしてしまうことだ。
では、将来に備えながらも、今の時間を後悔なく使うにはどうすればいいのだろうか。
「楽しみ」の優先順位が高くなる工夫をする
そのヒントになるのが、以下の考え方だ。
パーソナルファイナンスの世界には、「ペイ・ユアセルフ・ファースト(まず自分に払う)」という考え方がある。これは、給料を受け取ったら、自動的に貯蓄口座や退職金口座にお金を振り替えることを指す。
誰でも毎月の生活費が必要だが、このような自動的な仕組みをつくっておかないと、貯蓄をするのは難しくなる。
もともと几帳面なタイプの人でも、貯蓄を自動化すれば毎月どれくらいの額を貯金するかで頭を悩ませる必要なく、他のことに気を配る余裕が生まれる。
貯蓄にはぴったりの方法だが、これを時間の使い方に応用することはできないだろうか? つまり、「楽しみ」を後回しにせず、優先順位を高くしたら?
貯金は、将来の不安を減らし、選択肢を増やすための大切なものだ。
だからこそ、何のために貯めるのかを、ときどき考え直したい。
「いつか余裕ができたら」と待っているだけでは、その日はなかなか来ない。
若いうちにしかできない挑戦も、今の自分だからこそ楽しめる時間もある。
将来の自分にお金を残すことと、今の自分の人生を豊かにすることは、どちらか一方を選ぶ話ではない。
毎月少しでも、自分が本当にやりたいことのために使う。会いたい人に会う。行きたい場所へ行く。始めたかったことを始める。
貯金額を増やすことだけでなく、人生に残る経験を増やすことも、未来の自分への大切な投資になるはずだ。






