写真はイメージです Photo:PIXTA
AI(人工知能)が翻訳や文章作成を担う時代、人間に残る大事な力とは何か。人口減少社会を研究する経済学者が、「英語と日本語の違い」を手がかりに考える。※本稿は、吉田 浩『日本人全員が佐藤さんになる日』(朝日新書)の一部を抜粋・編集したものです。
英語にすると日本語の意味と
責任の所在が見えてくる
英語で表現することのメリットは、内容がストレートにはっきり示されることだ。
たとえば、新幹線の洗面所の蛇口から手洗いの水が出るが、その水は何日も車両タンクに貯蔵されていたというケースもあり、「この水は飲料水としては適しません」というややまわりくどい日本語の表示が出ている。しかし、その下には“Don’t drink this water(この水は飲むな)”とストレートに書いてある。
また、日本語では主語を書かない文章でも成立するが、英語は主語が必要なので、「誰が」その行動と責任の主体であるのかがはっきりしている。英語にすると、その事態の性質がよく理解できるというわけだ。
英語で表現することでその中身が分かりやすくなる例としては、日本の「観光庁」という役所が挙げられる。
英語名は“Japan Tourism Agency”であって“Japan Sightseeing Agency”ではない。







