失敗を振り返って初めて
見えてきた自分の問題

 あとから振り返って、ようやく理解しました。

 まず何より、設定した課題が表面的でした。

 その課題がなぜ起きているのか。その問題を生み出している真因が何かまで、掘り下げきれていなかった。だから、本当の意味での変革プランにつながらなかったのです。

 それだけでなく、当時の自分は時間の読みを完全に誤っていました。

 まずタイミング的に本質的な課題に、もっと早いタイミングで到達しなければいけなかった。その課題設定が正しくない限り、どれだけ作業をしても、手戻りするからです。

 さらに、その先にやるべきことも見えていませんでした。その課題をどうやってクライアントに説明するのか。どんな材料を積み上げれば、相手が納得し、自分ごと化するのか。どうすれば「これを変えるために行動しないといけない」と思わせられるのか。もっと早い段階でこの深さまで突き詰める必要がありました。

 そのためにも、上の人やクライアントにもっと壁打ちしてもらう必要がありました。そこまで考えたとき、そもそもまったく時間が足りていなかった。

 つまり、表面的な課題のままストーリーを組み、まとめきればいいと思っていた時点で、すでに詰んでいたのです。

 最も改善すべき点は、他人の意見の聞き方でした。

 当時の私は、自分の中で「こういうことなんじゃないか」と決めてしまっていました。

 むしろ面倒を見てくれていたシニアマネージャーに対し、「なんで言っていることがわからないのかなぁ」とさえ思っていた。だから、相手の言っていることが理解できない。理解しようとするのではなく、説得しようとしていたのです。

 おまけに、ある程度仮説が形になってくると、それを捨てたくなくなりました。どうしても守りたくなるし、相手を説得したくなる。会議での質問も、自分のロジックへの反論のように感じてしまうものです。

 でも本当は、相手は何を見ているのか、どこに違和感を持っているのか、自分に見えていない論点は何か、そこをいったん全部捨てて理解し直さないといけなかった。