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日本のマネジャーは忙しい。しかし、その忙しさを生み出しているのはマネジャー自身の言動だ――。そう主張するのは、ボストン・コンサルティング・グループやA.T.カーニー、ベイン・アンド・カンパニーで要職を歴任し、現在は立命館大学ビジネススクールで教鞭を執る山本真司氏だ。マネジャーが成長するために必要なのが、「カミングアウト」だというが、いったい何を告白することなのか?※本記事は山本真司『忙しすぎるリーダーの9割が知らない チームを動かす すごい仕組み』(PHP研究所)から一部を抜粋・編集したものです。
昇進遅れマネジャーのプライド
マネジャーになった当初、実は何よりも私を悩ませたのはチームメンバーのマネジメントではなく、「自分のプライドのマネジメント」でした。
私は同期よりも遅れてマネジャーに昇進したことに大きなコンプレックスを抱いていました。当然、メンバーからも「昇進の遅れたマネジャー」というレッテルが貼られています。
ここで、彼らに弱みを見せてはマズい。そんな気持ちが常に先に立っていました。
自分の体面を保つため、メンバーとのミーティングでは常に批判モードで、彼らの成果物の欠点、欠陥を探しては、けなしてばかりいました。そうすることで、自分のプライドの崩壊を阻止していたのです。
そのあとの「究極の一人プロジェクト」時代にも、自分のプライドを守るという意識は常について回りました。
すべての実務を一人でこなすということは、自分がいないとメンバーの仕事が回らないということです。つまり「このチームは私がいないと何もできない」と考えることで、自分のプライドを維持していたわけです。
その結果、メンバーは皆「指示待ち族」になってしまい、ちょっと考えればわかりそうなことでも、すぐに指示を求めてくる。自分で「変だ」と思うような兆候を感じても、私が指摘しない限り言ってこない。遅ればせながら指摘すると「はい、そういう問題があります」と平気で口にする。
「わかっているんだったら、自分で対処しろよ!」と何度も叫びたくなりました。でも、こうしたメンバーの態度は結局、自分のプライドが生み出したものだったということに気がつきました。
できる人ほど、現場に口を出してしまう悲劇
かつての私のようなマネジャーを、いまでもしばしば見かけます。しかも、能力の高い部長、支社長、支店長といった、現場のエリートクラスの人に多いように見受けられます。
個人技では抜きん出た実力を持っているのに、いや、個人技に優れているからこそ、チームメンバーに仕事のオーナーシップを渡すことができないのです。
最初は「放し飼い」にして様子を見ていても、メンバーの一挙手一投足が気に食わず、次第に口を出し始める。そして、ついには怒鳴り散らして指示を出す。あるいはメンバーの頭越しに指示を出して、「あいつはまだまだだから、俺がやってやらないとな」と、自分のプライドを満たして満足している。メンバーはばかばかしくなって、さらにやる気を失う。
こんな悲劇は、現在進行形で、いたるところで繰り返されているのではないでしょうか。







