写真はイメージです Photo:PIXTA
海を眺めながら、気の合う仲間と酒を酌み交わす。そんな老後に憧れ、「海が見える老人ホーム」を探し始めた著者。しかし、実際に施設を見学してみると、思い描いていた世界とは大きく異なっていた。理想の「終の棲家」はどこにあるのか。※本稿は、ライブハウス「ロフト」創業者の平野悠『超高級老人ホームに入ってみた』(集英社)の一部を抜粋・編集したものです。
会社を辞めて家に引きこもり
→「やすらぎの郷」を求め動き出す
できることなら「やすらぎの郷」に行きたい。会社を辞めて半年、1年と家にこもるようになり、ひそかな願望は現実味を帯びてきた。
やすらぎの郷をご存じだろうか。倉本聰脚本の連続テレビドラマのタイトルで、2017年に放映。テレビ業界に貢献した者だけが入れる高級老人ホームやすらぎの郷を舞台に、石坂浩二、浅丘ルリ子、加賀まりこらが演じる男女の人間模様がユーモラスに描かれる。
ロケ地は熱海あたりだろうか。海沿いの小高い丘に建つやすらぎの郷は広大なリゾートホテルのような施設で、入居費用も利用料も無料。よく教育されたスタッフに、至れり尽くせりのサービス。介護も医療も完璧だ。
石坂浩二演じる老いた脚本家の男は、妻に死なれ、息子夫婦との同居生活に見切りをつけ、やすらぎの郷に入居する。そこで文化人や元スポーツ選手の旧友と再会し、昼は釣りを楽しみ、夜はバーで思い出話に花を咲かせ、やがて新たな恋も始まり……と言うなれば「大人のおとぎ話」なのだが、私はこのドラマがすっかり気に入ってしまった。







