アサヒ、キリン、サッポロ、サントリー…カルテル疑惑の渦中、4社を脅かす「激安ビール」その生産地とはPhoto:PIXTA

10月1日から酒税改正でビール、発泡酒、新ジャンル(第三のビール)の税率が54.25円(350ml換算)に統一された。一方で、アサヒ、キリン、サッポロ、サントリーのビール大手4社には、カルテル疑惑が浮上。他方で、セブンやイオン、ドン・キホーテなどが「格安PBビール」で積極攻勢に打って出ている。ビール市場が混迷しているが、最後に「笑う」のはどのビール?(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)

もし談合があったのなら、がっかり……

 10月1日から新しい酒税でビール類の販売が始まった。値上がりが予想される新ジャンル、いわば第三のビールを9月までにまとめ買いした消費者も多いことだろう。

 これでビールが売れ始めてメーカーもウハウハか……と思ったところに、ビックリするニュースが飛び込んできた。公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いでアサヒビール、キリンビール、サッポロビール、サントリーの4社に強制調査に入ったという。ビールの出荷価格でカルテルを結んだ疑惑だ。

 ビール党のひとりとして、筆者は2019年からビール系飲料の価格に関心を持ってきた。同年10月に消費税が10%に引き上げられたからだ。飲食料品は軽減税率の対象となり8%で据え置かれたが、アルコール類はその適用外。10%が課せられ、実質値上げになった。

 2020年10月からはビール系飲料の酒税改正が始まった。ビール、発泡酒、新ジャンル(第三のビール)のうち、ビールの税率は下がり、新ジャンルは上がった。23年10月には2回目の改正でビールはさらに下がり、新ジャンルは上がって発泡酒の税率にそろった。

 そして今年10月、3種類の税率は350ml換算で54.25円に統一された。しかし、その改正の合間に当たる22年10月と25年4月に、大手4社はビール価格を改定・値上げしている。

 つまり、たとえ酒税が下がっても、私たち消費者が買う販売価格はあまり変わらない構図が続いてきた。原材料や資材の高騰、エネルギー高による流通コスト増など、値上げ理由はそれなりに説明されてきた。もし本当に談合があったのなら、がっかりだ。

 一方で、そもそもこの酒税改正の歴史には、国による“メーカーいじめ”と思わずにはいられない背景もある。そこで、新ジャンルの価格はどれくらい上がったか独自に定点観測した結果と、セブンやイオン、ドン・キホーテが出す「格安PBビール」のお値段について考察したい。