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日本の働く人の学びは、国際比較でも突出して低調だ。勤務先以外で学習や自己啓発を「何もしていない」人は52.6%に上る。だが、その原因を本人のやる気だけに求めると、企業側にある「学びを妨げる構造」を見落としてしまう。※本稿は、南山大学経営学部教授の安藤史江『「組織が変わる」には何が必要か――個人・職場・企業の学習の可能性』(筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。
日本人の学習量は
本当に少ないのか
組織活動が期待したようにうまく進展しないとき、あるいは、期待したような成果が得られなかったとき、組織はその問題の真の原因がどこにあるか十分に検討する前に、働く個人に原因を帰することが少なくない。
たとえば、やる気がない、部下がいつまでたっても成長しない、自ら積極的に学習しようとする姿勢を見せない、などである。まるで他の原因など存在しないかのように、自分の組織で働く個人の態度を嘆くばかりである。
確かに、日本人の学習意欲や学習量がかなり低い水準にとどまっていることは、近年のいろいろな調査で指摘されている。たとえば、総務省統計局が2022年に発表した「令和3年社会生活基本調査」によると、社会人の1日あたりの平均勉強時間はたったの13分であることが示されている(※注1)。
この調査では様々な活動を対象に、それぞれの活動を行っている人を「行動者」と呼び、その割合を算出している。2001年には36.2%だった「学業以外の学習活動」の行動者の割合自体は、2021年には39.6%になるなど、実は着実に増加傾向にある。
※注1 「令和3年社会生活基本調査―生活時間及び生活行動に関する結果」として2020年10月20日~2021年10月19日までの1年間で20種類の行動をどれだけ行ったかを、週全体平均による1日の時間に換算して算出したもの。「学習・自己啓発・訓練(学業以外)」の項目にあたる。10歳以上の世帯員約19万人を抽出して実施された。







