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部下を育てるには、仕事を任せて経験を積ませる必要がある。ところが、筆者が中間管理職に実施した調査では、65%が「忙しいときほど自分で仕事を片づける」と回答した。そんな上司の遠い背中を、部下はどう見ているのだろうか。※本稿は、南山大学経営学部教授の安藤史江『「組織が変わる」には何が必要か――個人・職場・企業の学習の可能性』(筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。
課長より部下のほうが詳しいのに
課長は部下の提案を聞いてくれない
部下を持つ立場になれば、部下をマネジメントし、職場や組織の目標達成を支えることが上司の役割となる。そのためには、部下の行動や成果を丁寧に観察し、短期・長期の両面から適性に合った仕事を割り当て、公平に評価することが大切になる。
とりわけ現場に近いマネジャーや課長職は、一般の組織メンバーと最も密に関わることから、その態度や行動が部下の学習意欲や成長はもちろん、育休からの職務復帰率やその後の定着率、満足度を左右すること(※注1)が知られている。
「意見を聞いてくれない」、「提案が取り上げられない」といった不満が最も向けられやすい層でもある。
ところが、この層は大変忙しい。経営組織論で著名なミンツバーグがその著書『マネジャーの仕事』(※注2)で描いたように、マネジャーの業務は細切れで中断が多く、部下と接する時間や考える時間すら十分に確保しにくい。
※注1 中原淳(2010)『職場学習論―仕事の学びを科学する』東京大学出版会、安藤史江編著(2020)『変わろうとする組織 変わりゆく働く女性たち―学際的アプローチから見据える共幸の未来』晃洋書房、など。
※注2 Mintzberg, H.(1973). The nature of managerial work. Harper & Row.(奥村哲史・須貝栄訳『マネジャーの仕事』白桃書房、1993)。
※注2 Mintzberg, H.(1973). The nature of managerial work. Harper & Row.(奥村哲史・須貝栄訳『マネジャーの仕事』白桃書房、1993)。







