写真はイメージです Photo:PIXTA
社外で学んだ知見や、顧客から得た示唆を職場で提案しても、上司に取り合ってもらえないことは珍しくない。こうした部下の不満は、国内外の調査結果にも表れている。研究によれば、そもそも管理職は、革新的なアイデアを正しく評価するのが苦手なのだという。※本稿は、南山大学経営学部教授の安藤史江『「組織が変わる」には何が必要か――個人・職場・企業の学習の可能性』(筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。
「学習しろ」と部下に迫るくせに
いざ提案が来ると取り合わない
現在の日本人の学習時間や自己啓発の実施率は国際的にみて低い。しかし、その背後には、個人の学習意欲を削ぎ、ラーニング・バイアスを強化してしまう組織構造が少なからず存在し、「学習しろ」と旗を振るだけで、その後の学習プロセスを個人任せにしている組織の姿勢もある。
こうした状況では、個人が学習しないことを誰の責任とみなすかは、まさに「卵が先か鶏が先か」問題といえる。
個人が自然に学習を進めるはずだと期待したり、学習意欲を削ぐ仕組みを放置し改善しないのは、組織として無責任であり、場合によっては「本当は学習してほしくないのではないか」という疑念すら生む行為といえる。
こうした問題は、個人レベルにとどまらず、日々の職場でも確実に生じている。具体的には、上司や同僚との関係、職場の運営が、働く個人の学習を妨げる。
たとえば、部下が社外の勉強会で得た知見や顧客からの示唆を持ち帰り、職場で提案しても、上司がそれを取り上げない、そもそも関心を示さない、という場面は決して珍しくない。







