「営業成績がトップ」「大きなプロジェクトを成功させた」。そんな優秀な社員が昇進したのに、なぜか部下から歓迎されないことがあります。会社から見れば、十分な実績があり、昇進するのも当然に思える人材です。しかし、会社が高く評価する人と、部下が上司になってほしいと思う人は、必ずしも一致しません。では、その違いはどこにあるのでしょうか。『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、その理由を解説します。
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会社が見ているものと、部下が見ているものは違う
「営業成績がトップだから」「プロジェクトを成功させたから」
――会社が昇進の理由にするものの一つが、こうした個人としての実績です。
数字として見えやすく、評価しやすい。会社側の論理としては、わかりやすいものです。
でも、その人の下で働く部下が上司に求めているのは、そうした過去の実績ではありません。
相談しやすいか。話をきちんと聞いてくれるか。判断が適切か。困ったときに守ってくれるか。成長させてくれるか。
――つまり「この人の下で働きやすいか」という点です。
プレイヤーとしての優秀さだけでは決まらない
「優秀なプレイヤーが、優秀な管理職になるとは限らない」。これは、よく知られている話です。
個人として成果を出せる人と、チームを動かせる人では、求められる能力が違います。
自分が動いて結果を出すことと、人を通じて結果を出すことは、やっていることが根本から違うんです。
現場でよく見るのが、個人では圧倒的な成果を出していたのに、管理職になった途端にうまくいかなくなるケースです。
自分でやった方が早いと仕事を抱え込む、部下のペースに苛立つ、数字で詰めることしかできない。
――本人も苦しいし、部下はもっと苦しい。
部下にとって、会社の都合は関係ない
「あの人は営業成績トップだったから昇進した」と言われても、部下からすれば「だから何?」という話なんです。
その実績で、部下が働きやすくなるわけではありません。部下が見ているのは、「過去にどれだけ売ったか」ではなく、「これから自分たちをどう率いてくれるか」です。
会社側の論理と部下の感覚がズレたまま昇進が決まると、チームの空気は静かに、しかし確実に悪くなっていきます。
昇進を検討するとき、「この人はこれまで何をしたか」だけでなく、「部下はこの人を上司として歓迎するだろうか」と問いかけてください。
その視点が、人事の精度を大きく変えます。








