ビール離れと消費税1%減税の行方
国税庁HPの《酒税が国を支えた時代》によると、《酒税は、明治30年代日露戦争を契機に財政需要を満たすべく国税の税収第1位となります。》と書いてある。その後も長らく国の税収を支えてきた。
だからこそ国は、庶民が税収の低い第三のビールばかり選ぶ現状に歯がゆさを感じてきたのだろうか。とはいえ、「ビール離れ」という言葉を聞いて久しいように、ビール酒造組合によると、ビールの市場規模はここ10年で3割近く減少しているという。
ちなみに今般のカルテルの調査対象になっているのが、まさにこのビール酒造組合(ビール大手4社が会員)での会合だった。市場縮小というマイナス要因も、疑惑の背景にあるのではと推察される。
さらに気になるのが、消費税の減税だ。2027年4月から飲食料品の消費税率を1%に引き下げる法案が審議中だが、アルコールは対象外。ビールは消費税率10%のままである。
「消費税10%のままでもビールを飲むぞ!」と言ってくれるコアな消費者には、今般のカルテル疑惑は「裏切り」と映るに違いない。冒頭でも述べたが、たとえ酒税が下がっても消費者が買う価格はあまり変わらない構図が続いてきたからだ。
財務省はというと、ビールの酒税を下げ、「安くしたから、さあどんどん飲んでください」と舞台を整えたのに、思わぬところでつまづいたのではないか。
一方では、大手小売りによる格安PBビールの攻勢という、従来メーカーや卸業者も戦々恐々とする新しい戦いの火ぶたが切って落とされた。
ビールの苦さが胸まで染みる秋の宵――関係者らは、そんな皮肉も呟きたくなることだろう。







