用語解説Photo:PIXTA

1:サブスクリプション 

 日本では単なる定額制サービスと思われがちだ。定額制などで顧客に継続的に課金するビジネスモデルではあるが、テクノロジーを活用することによって、顧客のニーズに応じた商品やサービスを提供し、時に料金が変動するモデルが最新の潮流だ。

 継続的に顧客と良好な関係を保つことが、サブスクリプション型のビジネスモデルで成功する鍵となる。継続的に課金するビジネスモデルのことを指すリカーリングとほぼ同義だ。

2:スクリプト(筋書き)の転換

 多くの企業にはビジネスの筋書きがある。製造業なら「多くの人が欲しいと思う製品を作り、売って利益を得る」というものだ。製造元から筋書きが始まり、顧客が最後だ。顧客との関係が生じるのは販売したときのみだ。

 しかし、顧客に継続的に課金するサブスクリプション型のビジネスモデルでは、顧客と良好な関係を維持しなくてはならない。したがって、企業が持つべき筋書きの出発点は、「製品を作る」ではなく、「顧客のニーズ」であるべきだ。

 サブスクリプション型のビジネスモデルを確立しようとする企業は、まず「製品から発想するビジネス」から「顧客から発想するビジネス」へとスクリプトを転換させることが、最初に取り掛かるべきことだ。

3:SaaS(サース)

 ソフトウエア・アズ・ア・サービス(Software as a Service)の略。インターネットを介して、クラウド上でソフトウエアの必要な機能を利用する形態のこと。ソフトウエアは、物と違ってクラウドで提供しやすい商品。そのため、ソフトウエア業界はサブスク化がいち早く進んでいる。

 かつて、ソフトウエアは購入してインストールして使うものだった。実際、米マイクロソフトのエクセルやワードは、量販店で購入し、インストールしていた。

 しかし、大容量の高速インターネットが普及し、SaaSによってソフトウエアを提供するという方法が生まれた。これによって顧客は常に最新バージョンにアップデートされたソフトウエアを利用できるようになった。