見破ろうとするより
進む経路を変える

――三つの手口は、「被害に遭ったあなたを助けます」という形で近づいてくるわけですね。

 はい。補償を受けるため、悪用を防ぐため、アカウントを使えるようにするため。それぞれ話の内容は違っても、相手の指定したところで手続きするように誘導する点は共通しています。

 そこへ自分の本名や住所などを言い当てられると、「自分のことを分かっている相手だ」と感じて、信用しやすくなる可能性があります。ですが、個人情報を知っているというだけでは、その相手が正規の担当者である証明にはなりません。

 情報が流出した後は、自分の個人情報を知っているという相手にも、同じように注意する必要があります。特に直近1カ月では発表されたものだけでも、相当な数の情報が漏えいしています。どうか、自分には関係ないと思わないでください。

――メールやメッセージの文章やリンク先のサイトを見て、偽物だと見抜く自信がありません。

 見抜こうとするのは、実は危険な行為です。見た目の本物らしさだけで判断すると、誤った行動を取る可能性があるからです。届いたメールやメッセージから、そのままURLをタップしない。公式のサイトやアプリを自分で開いて、案内を確認する。電話をかけるなら、公式に案内されている番号を使う。まずは、そこを徹底してください。

 相手とのやり取りだけで、本当にその企業からの連絡かを確かめるのは難しい場合があります。いったん相手が用意した流れから離れることが大切です。

 情報漏えいへの不安が強いと、早く何か対応したくなると思います。でも、その気持ちを利用した連絡が来るかもしれない。「助ける」と言われたときにも、確認する手順は省かないでほしいです。

【編集部補足】トビラシステムズが2026年9月30日に公表した調査でも、通信事業者や宅配事業者などをかたり、携帯電話の不正利用などを口実にする不審電話が報告されています。実在の事業者や心配事を利用して接触する手口は、すでに存在しています。