──人材面はどんな強みがありますか?
伊藤 社員のうち、技術者は13名ほどいます。50代の熟練技術者から、新卒で入社した20代の技術者もいて、平均年齢は30代前半なので、業界ではかなり若い方ではないかと思います。
若い技術者を育てるために、教育訓練休暇の使用を促進しており、検定にかかる費用を負担するのはもちろん、技能検定の合格者には報奨金を支給しています。技術者が機械加工や工場板金の検定を取得しているだけでなく、パートも含めて全従業員が品質管理に関する検定を取得しています。
──人手不足の中、10~20代を採用できている理由とは?
伊藤 一つは健康経営に力を入れていることが支持されていると思います。健康診断はもちろん、社内には健康器具があり、外部から講師を招いて体操やストレッチ、筋トレの指導も受けられるようにしていて、20年から毎年「健康経営優良法人」の認定を受けています。
長野県のSDGs推進企業にも登録していて、二酸化炭素や混合廃棄物の削減に取り組んでおり、高校生の入社希望者から関心を持ってもらえています。
──創業32年、経営での浮き沈みは?
2026年5月竣工の最新設備を備えた新工場(上)と竜東スチールで加工した製品(右)
伊藤 リーマンショック後の数年間は製造業の仕事が一気になくなり、きつかったですね。雇用を守るため、雇用調整助成金も活用しながら、社員と相談して半日交代の勤務でしのぎました。最近では新型コロナの感染が広がったときにも仕事が減りました。
そのときに融資で支えてくださったのはアルプス中央信用金庫さんです。私が1人で創業した頃からのお付き合いで、地域に根差した信金さんだからこそ、細かいことまで膝を突き合わせて相談に乗っていただけるのがありがたいです。アルプス中央信金さんのご紹介で新しいお客さまとつながったこともあります。
──今後の抱負をお聞かせください。
伊藤 ここ数年、最も多くお仕事を頂けるお客さまの業種が目まぐるしく変わっており、環境の変化の速さを痛感しています。柔軟に対応するためには、従業員の持続的な成長が大事になると考えており、今後も社員が仕事の達成感ややりがいを味わえて、幸福感を持てるような経営をしていきます。
また、仕事を受注するだけでなく、取引先と農業関係の新製品の開発にも取り組んでいます。15年ほど前に、地元の農家さんから相談され、名産の市田柿を干し柿にする作業の一部を半自動化する「ホゾギリキューブ」を開発し、今も注文を頂いています。今後も、新たなロングセラーを生み出したいと思っています。
(取材・文/杉山直隆、「しんきん経営情報」2026年11月号掲載、協力/アルプス中央信用金庫)
事業内容:精密板金加工、レーザー加工、溶接、製缶、大型筐体製造
従業員数:22人
売上高:3億500万円(2025年9月期)
所在地:長野県伊那市東春近3105
電話:0265‐78‐0704
URL:ryutou.jp







