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NTTが足掛け9年に及ぶ巨大グループ再編を経て、NTTドコモの潤沢なキャッシュフローをNTTデータグループの成長投資に振り向ける体制を整えた。2026~30年度には、AI(人工知能)データセンターに最大2.5兆円を投じる計画だ。特集『大NTT 巨大再編の賭け』の#1では、再編によって形成されたNTTグループの「3つの事業の核」の実力と課題に迫る。(ダイヤモンド編集部 村井令二)
NTTデータG傘下で海外統合進む
ドコモ完全子会社化の本当の狙いとは?
2026年9月下旬。米サンフランシスコに、NTTデータグループ(G)の経営幹部約200人が集結し、経営課題を議論するグローバルカンファレンスが開催された。議題の中心は「AIネイティブ企業への変革」だ。
「AIの導入を支援するだけでは足りない。われわれ自身が実践者になる必要がある」――。
海外事業を率いるNTTデータインクのアビジット・デュベイCEO(最高経営責任者)は、傘下のグループ企業幹部に訴えた。
グローバルカンファレンスは、NTTデータGが発足した23年にインドのベンガルールで始まった年次会合だ。英国ロンドン、東京での開催を経て、今回のサンフランシスコの会合で4回目。今年は、NTTデータGの中山和彦社長、NTTデータの鈴木正範社長、NTTデータインクのデュベイCEOらトップを筆頭に、国内外の経営幹部がAI戦略を共有した。
AI時代への事業転換を進めるNTTデータG傘下で、重要な役割を果たすNTTデータインクは、NTTグループが過去20年以上にわたりM&A(企業の合併・買収)を通じて統合してきた海外企業の集合体である。
出身母体の異なる組織をいかに統合し、結束を強めるか。中山社長は「最初のインドの会合の時代は、同じ事業にヘッドが複数いるなどバラバラで、日本人以外の幹部らが『あなたはどこの会社出身か』という会話をしていた。だが、今回のサンフランシスコの会合では、もはや『誰がどこの出身か』といった話は聞かれない。過去4年で相当に統合が進んだと思う」と語る。
NTTは18年の海外事業再編を皮切りに、20年にNTTドコモ、25年にNTTデータGを完全子会社化した。26年には新たな事業体制が整い、前任の澤田純社長(現会長)時代から現職の島田明氏へと経営トップ2代にわたって進められた巨大グループ再編は集大成を迎えた。
両社の完全子会社化に投じた資金は合計約6.6兆円。NTTは1985年の日本電信電話公社(電電公社)民営化以降、分離・株式上場してきた主要事業会社を再統合して一体運営する体制に回帰した。
NTTはドコモとNTTデータGを完全子会社化した狙いについて、親子上場の解消やグループシナジーなどさまざま掲げているが、あるNTTグループの経営幹部は「最大の目的は、ドコモの潤沢なキャッシュフローを100%取り込んで、NTT持ち株が資金を集中管理し、グループの成長分野に振り向けることだ」と明かす。
足掛け9年の巨大再編でNTTは、どのような事業構造に生まれ変わったのか。そして、巨額の資金を投じた再編は、どのような成長につながるのか。
本稿では、NTTの島田社長、NTTデータGの中山社長、ドコモの前田義晃社長、NTTドコモビジネスの小島克重社長らグループ各社の経営幹部への独自取材を通じて明らかになった、巨大再編の苦悩や、再編後のNTTの経営戦略に迫る。







