日本唯一の専門醸造設備で造る発酵ジンジャーエールで社会貢献も実現定番の「スイート・バタフライ」(写真下)。その他、国産ハーブのクロモジを使った「クロモジ・マンティス」や、季節限定の埼玉産のイチゴ「あまりん」や、鳩山町産のアンズを使った商品など、常時6~8種類を製造・販売。ギフトにもいい

 その翌年、会社を設立し、醸造所の資金として、クラウドファンディングに挑戦し、約500人から計600万円以上を調達。その資金を元に、21年に市内の空き家を活用した醸造所が竣工。100回以上、試作を重ね、納得のいく商品が完成した翌年7月から販売を開始した。

 同社の発酵ジンジャーエールの特徴は大きく三つある。一つは発酵法だ。定番商品は純粋培養された酵母菌による酵母発酵で安定した品質・味わいの均一化を図り、季節限定商品においては時に変数の高い発酵プロセスを取り入れている。

 二つ目は材料へのこだわりだ。当初、見沼田んぼを車で回り、直接交渉で仕入れ先を増やしていったという見沼産ショウガをはじめ、安心・安全を担保しつつ、その他の材料も地元・埼玉産を中心に活用。「さいたま市の『ふるさと納税返礼品』にも採用いただいています」と語る。流通に乗らない完熟の果実を活用するなど、フードロス削減にも寄与している。

ノンアル人気を追い風に
販路拡大を目指す

 三つ目に商品ラインナップが挙げられる。定番の他、地元の旬の季節のフルーツを使った限定商品なども手がけており、好みに合わせて選ぶのも楽しい。

日本唯一の専門醸造設備で造る発酵ジンジャーエールで社会貢献も実現醸造所には本格的な醸造設備が並ぶ

 現在の主要販路は飲食店の他、樽出荷も可能なため、「タップから注ぐクラフトビール店での、ノンアルコール飲料の選択肢としても好評いただいています」と周東氏。昨今の“ノンアル人気”も追い風に、さらなる販路拡大を目指す。ちなみに、ちょんまげは和装が好きな周東氏が、一度はやってみたい髪形としてトライしたものだが、メディア取材が舞い込むPR効果にもつながっている。

 今後の展望としては、「国内でのジンジャービアの浸透・普及を図るとともに、生産力を上げるべく、新たな醸造所の設立も構想しています」と周東氏。“ちょんまげ社長”の新たな挑戦にも期待したい。

(取材・文/大沢玲子、「しんきん経営情報」2026年11月号掲載)

事業内容:発酵ジンジャーエールの製造・販売
従業員数:2人
所在地:埼玉県さいたま市見沼区大谷1262‐3
電話:048‐741‐8387
URL:ginger-bug.com