Great Place to Workの「働きがいのある会社」ランキングの日本の調査で、堂々第3位に付けている会社が、Plan・Do・See。ホテルやレストランの経営、運営、ウエディングのプロデュースなどを手がけています。設立は1993年。社員・アルバイトともに500名という規模ですが、実は若い人には圧倒的な知名度と就職人気を誇ります。キャスティング室室長の笹山剛史氏にお話を伺いました。

世界中に幹部クラスを派遣
1年ほど自由にやらせる

なぜ、この会社は<br />若い人に圧倒的な知名度と就職人気があるのか?<br />【企業インタビュー:Plan・Do・See(プラン・ドゥ・シー)編】「500名のうち、海外研修旅行に一度に60名をつれていきました」(キャスティング室室長・笹山剛史氏)

本田 実は私の友人で、10年近く前からこちらで働いている人物がいます。彼をずっと見ていて感じていたのは、なんとも楽しそうに働いているなぁ、という印象でした。

笹山事業の見た目は飲食業に見えるのですが、ウエディングビジネスをベースに、神戸や福岡でホテルを経営したり、地方の古い伝統的な建物をリニューアルして生き返らせたり、ニューヨークにレストランを出したりと、あたらしい挑戦や取り組みを進めています。

本田いろいろと面白いことをやっているのですね。

笹山昨年の海外研修旅行では一度に60名を連れて行きました。引率者7人の7チームを作って、それぞれで好きな場所に行ったんです。パリ、ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドン…。いいところに泊まって、いい旅をしながら、会社の行く末をみんなで話し合って。ごっそり社員がいなくなって、現場は大変だったようですが(笑)

本田仕事を楽しませようとする取り組みは半端なものじゃありませんね。道理でで、若い社員がイキイキと楽しそうに働いているわけだ(笑)

笹山これを毎年やっています。研修だけではありません。総料理長が1年間パリに行くなど、幹部が続々と海外勤務へと旅立っています。私の友人は、神戸のオリエンタルホテルの支配人をしていましたが、ニューヨークへと旅立つことになりました。世界中に幹部クラスを派遣して、1年間ほど自由にやらせて、海外のライフスタイルやビジネスのやり方、良いサービスを自由に学んできていい。でも、これをしなくてはいけないという、厳格な決まりはない。語学の勉強をしてもいいし、素晴らしいレストランに通い続けてもいいという試みです。言葉や文化を学んできてくれ、好きにやってこい、という。それを帰国後、何らかで生かしてくれればいい、と。

本田1年後は、きっと会社にとって大きな資産になっているんでしょうね。

笹山今は、フランスやイタリアやアメリカなど、主要な都市に幹部クラスを派遣しようとしています。参加する人は楽しいでしょうし、その経験は何物にも代え難い知識として体に宿り、会社にとっても大きな財産になると思っています。

 新卒採用でのエントリーは実に3万人、説明会には1万8000人。この中から20名前後の採用者が毎年、出ています。事業内容は飲食関連のサービス業ですから、決して人気業種とはいえない。なのになぜ、これほどまでにPlan・Do・Seeは若い人を惹きつけるのか――。

 社員にとって、これほど大胆で自由な任され方をすれば、仕事が面白くないはずがないと思います。幹部クラスを1年間自由に海外に行かせられる余裕が会社にあるということは凄いことなのです。