読経、深紅の衣をまとった僧侶、風にはためく5色の祈願旗「タルチョ」などを通してチベットを体験したいと思っても、中国の一般国民はチベットには行かない。代わりに向かうのは、隣接する雲南省にある観光ブームの街シャングリラ(香格里拉)だ。ここではチベット文化から宗教的要素の多くが取り除かれ、中国で多数派の漢族向けに「無害化」されている。チベット仏教最高指導者ダライ・ラマの影響の痕跡も一切ない。旧市街の狭い路地は、偽物のチベット衣装を着た漢族の観光客であふれかえっている。彼らはソーシャルメディア向けに映える写真の背景として古い僧院を利用している。丘の上の寺院に群がり、かつて世界最大だった高さ21メートルの巨大な金色のマニ車(円筒形の仏具)を回す。地元当局が5年前に「非宗教施設」に指定して建てた、高さ107メートルの仏塔に向かう観光客もいる。
「チベットの魂」巡る戦い、中国の観光都市で展開
ヒマラヤ山脈のふもとで観光ブームに沸く都市シャングリラは、無害化されたチベット文化を中国人旅行者に売り込んでいる
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