さて、ここまで読んでもらって、小児外科医は卒後5年ではまったく小児外科の手技を身につけていないと分かるだろう。ぼくは卒後2年目で、生後0日の赤ちゃんに人工肛門を造る手術をしたことがある(念のために言っておくと、メチャ難しい)。今の研修システムだと新生児の人工肛門手術は卒後8年になるだろう。
成人の内科のことにもかんたんに触れておこう。まず、最初に専攻医として「内科」専門医を取得する。これが1階に相当する。そして2階部分に「消化器内科」「循環器内科」「呼吸器内科」「脳神経内科」などがある。
内科の先生もなかなか大変だ。内科専門医を取るために、自分の経験した症例をオンライン入力しなければならず(J-OSLER=専攻医登録評価システム)、これが相当な時間と労力を費やすと聞いたことがある。
ぼくは医学部6年生だったときに、整形外科の当時准教授だった先生(のちに教授に就任→引退して横綱審議委員長になった)から、「医者になって10年、何か1つに打ち込め。そうすれば必ず学会で名の知られた医者になれる」と言われたことがある。そして実際、なった。今では10年などでは全然足りない。
若手医師が消化器外科を
敬遠する理由が「信じられない」
さて、ぼくはこうした修練の道を大学病院で歩み、その一歩一歩は本当に充実していてよかったと今でも思っている。ところが、最近の若手の医師の一部はそうした道のりを苦痛としか感じていないようだ。
一時期、医療訴訟のからみで産婦人科医が減少傾向という話があったが、現在もっとも医師が不足している科は成人の消化器外科である。若手のなり手が毎年減少しており、ベテランばかりの状況になっている。
なぜだろうか?ぼくには不思議でならない。大人の消化器外科なんて医師の花形、手術室の王様ではないか。人気のない理由は、イレウス(腸閉塞)などの緊急手術が入ることがあるからだという。つまりいつ呼び出されるか分からないからホワイト度が低い。







