「あの人だから許される」は、時代が変われば破綻する
屋台基本条例の核心は、「仕組み」を作ったことにあります。
その仕組みはシンプルです。その代で営業を終える屋台は、権利(場所)を勝手に誰かに又貸しするのではなく、行政に返す。行政は空いた区画で公募を行い、新しい屋台が公平に参入できるようにする。
つまり、道路という公共の資産が特定の人に私物化されることを防ぎ、誰もがチャンスを得られる透明な制度に変えたのです。
同時に、条例に屋台の存在が明記されたことで、行政として堂々と支援ができるようになったことも大きな変化でした。屋台専用の水道や排水設備の整備など、環境を整えることで地域からの苦情も大幅に減りました。
条例制定から10年以上が経った今、当時反発していた屋台の方々からも「あのとき条例を整備してもらって良かった」という声が聞こえるようになっています。
この経験から得た教訓は明確です。属人的な運用は、いずれ破綻する。「あの人だから許されている」「昔からやっているから」。そうした暗黙の了解で回っている仕組みは、時代が変われば維持できなくなります。
しかし、透明なルールと公平な仕組みを作っておけば、リーダーが交代しても、時代が変わっても、価値を損なうことなく残り続けます。
目の前の全員から批判されても、10年後に「あのとき作ってくれて良かった」と言われる仕組みを残す。それはリーダーにしかできない仕事だと思います。







