これは、足にたまりやすい血液や水分を押し戻す、穏やかなマッサージのような作用です。

 同時に、水の浮力によって関節や筋肉への負担が軽くなり、膝や腰に不安がある方でも体を動かしやすくなります。

 お湯の中で足首を回したり、膝を軽く曲げ伸ばしするだけで、立派なリハビリになります。

 だからこそ、お風呂は「何もしなくても体が回復に向かう場所」なのです。

 年齢とともに、「寝つきが悪い」「夜中に目が覚める」という悩みが増えてきます。

 ここでも、お風呂が役に立ちます。

 人の体は、深部体温(体の芯の温度)が下がるときに、自然な眠気が訪れるようにできています。

 入浴で1回体を温めると、お風呂から上がったあとに体温がゆっくり下がり始めます。この下がり始めのタイミングが、眠気の合図です。

 就寝の1~2時間前に入浴を済ませると、睡眠薬に頼らなくても眠りに入りやすくなることがあります。

 1つだけ忘れてはいけないのが、ヒートショック対策です。

 寒い脱衣所から、急に熱いお湯に入る。この急激な温度差は、血圧を大きく変動させ、心臓や脳に負担をかけることがあります。

 脱衣所を少し温める。お湯の温度は40度くらいまで、かけ湯をしてから入る。

 これだけで、リスクは大きく下げられます。

掃除・洗濯・料理も
立派な「運動」になる

「体のために運動したほうがいいのは分かっている」

「でも、家のことをするので1日が終わってしまう」

 こう感じている方は、とても多いと思います。

 とくに一人暮らしの方や、家事を一手に担っている方ほど、「運動する余裕なんてない」と思いがちです。

 けれど、はっきりお伝えしたいことがあります。その家事こそが、すでに立派な「運動」です。

 医学の分野には、NEAT(非運動性活動熱産生)という考え方があります。

 これは、ジムでのトレーニングやスポーツのような「運動」以外で、日常生活の中で消費されるエネルギーのことです。