TBSドラマ『VIVANT』で主人公・乃木憂助を演じる堺雅人さん Photo:JIJI
中国紙が人気ドラマ『VIVANT』を批判した。反日作品を数多く作ってきた中国に言われても、と思う人は多いだろう。だが、このドラマの本当の問題点は別にある。日本人の国際社会への認識を狂わせかねない“現実っぽいウソ”とは。(ノンフィクションライター 窪田順生)
中国紙の批判は的外れ
本当の問題は別にある
TBSの人気テレビドラマ「VIVANT」が、中国共産党機関紙『人民日報』系の「環球時報」に「中国を中傷し、中国脅威論を誇張している」と批判された。これを受けて、VIVANTとコラボキャンペーンをしていたサンリオが謝罪に追い込まれ、これらの取り組みの中止をする事態にまで発展している。
ご覧になっている方ならばわかるが、このドラマには「シンシー」という中国の秘密情報機関を思わせる架空の民間情報組織が登場する。彼らは黒っぽい衣装に身を包み、目的のためなら手段を選ばないスパイ組織として描かれ、劇中では拘束した日本人の指を1本ずつ切断するなど、残酷な拷問を楽しんでいるようなシーンもある。
いくらフィクションでも昨今の日中関係悪化の最中、「中国」という国名を出して、これはさすがにやりすぎではないかというのである。なお、TBSは10月28日の会見で、特定の国を敵視する意図はないと説明している。
ただ、そう聞いても多くの日本人は「どの口が言うのか」とツッコミを入れるはずだ。ご存じのように、中国ではこれまで旧日本軍の残虐さを過剰に誇張した、いわゆる「反日ドラマ・反日映画」が大量につくられて、14億人近い国民の溜飲を下げてきたからだ。
自分たちはこれまで散々日本を中傷して、日本脅威論を煽っておきながら、非現実的なエンタメ作品でちょっとイジっただけで、顔を真っ赤にして噛み付くというのは支離滅裂である。
ということで、中国側の批判などまったく意に介する必要はないのだが、「プロパガンダ」というものを長年調査してきた筆者としては、このドラマが日本国民に及ぼすマイナス影響のほうが気になってしかたがない。







