南カリフォルニアの砂漠をオフロードバイクで走っていた営業幹部のスコット・ネルソン氏は、バイクを止めてライフルを取り出すと、自分の古いiPod(アイポッド)を撃ち抜いた。ネルソン氏はアップルにフラッシュストレージを販売していたが、常に取引で最悪の条件を強いられていると感じることに嫌気が差していた。彼が勤める日本の製造会社キオクシアにはほとんど交渉力がなかった。アップルは、iPhone(アイフォーン)で写真や音楽、アプリの保存に使われる半導体であるフラッシュメモリーの世界最大の買い手であり、その立場を利用してサプライヤーから最後の1セントまで絞り取っていた。フラッシュメーカーに帳簿を開示させ、他社が自社より有利な条件を得ていないか監視していた。