「お客様第一主義」の名のもとに、自社の利益を追求する利益主義は本当に「悪」なのだろうか?いまさら聞けないカイシャのあんなことやこんなこと。“楽天的キャリアナビゲーター” 前川タカオがズバリお答えします!

A4:お客様のためが前提なら、
利益は悪じゃない


 ホゥホゥ。ショックを受けてるなぁ。

 会社の矛盾、タテマエとホンネ、いやらしさ、腹黒さを目の当たりにした気分なんだろうなぁ。自社の利益が第一なら、最初からお客様第一なんて、キミに嘘つかなくたってよかったのに。こんな会社に入って失敗した。そう思う気持ちもわからないではない。

 キミは本当に純粋でまっすぐな志をもってる人だね。お客様第一の理念に共鳴してる。すばらしいよ。ただ、会社の根っこの部分をちょっと勘違いしてるところがあるんだ。それは「お客様の利益」と「自社の利益」が相反するものと思っていること。でも、継続して存在し続ける会社なら、そうじゃないんだ。

 実際は、相反するどころか、双方の利益は比例するものなんだ。むしろ、ともに伸びていかなきゃいけないんだ。確かにお客様をダマして自社の利益だけを確保する悪徳商売も、世の中には存在する。でも、そういった会社は短期的には売上や利益を上げるかもしれないけど、長期的にみるとそうではない。

 自社の利益だけしか考えてないことがバレると、そのうち、お客様は離れていく。お客様の利益を搾取ばかりしてるとお客様の体力が弱って、売上を上げられない。商売の内容によっては摘発されたりもする。

 そうなると、そもそも会社として営業し続けることが無理になるよな。

 もし、こういった歪んだ会社なら早々に転職を考えたほうがいい。ただ、たいていの場合、若手社員のキミらは、会社のある部分だけを見て全体もそうに違いないと勘違いをしているんだ。特に、会社の営業部署や財務部署の最前線に配属されてたりすると、一瞬そう思えてしまうのも無理はない。