1月19日に会社更生法適用申請をし、企業再生支援機構の傘下で再生を目指している日本航空(JAL)をめぐって、民主党対自民党の争いが始まろうとしている。
自民党は3月中旬から、衆議院の国土交通委員会でJAL問題を徹底追及する構えを見せているのだ。党内では昨年秋から、「航空問題プロジェクトチーム」を発足。前原誠司国土交通大臣の迷走ぶりを問題視してきた。
対する民主党は2月、自民党政権下でJALが政治の道具として利用されてきた経緯や、粉飾決算の有無を明らかにするプロジェクトチームを発足させる予定だった。
永田町では「想像以上にJALの再建は難しい。なにかあれば自民党政権下の粉飾のせいにしようという魂胆なのではないか」との観測が広がったが、民主党自体がJAL問題に一枚岩となって取り組もうという機運が薄く、チームの発足は延期となったまま、放置されている。
更生計画が確定する夏以降には、つなぎ融資を返済するため、メガバンクなどに約5000億円もの資金を借りなければならないが、当面はここが最大の難関だ。
なんとしても国際線の2社体制を維持したい国土交通省と、国際線を手放したくないJALの思惑があり、徹底したリストラ計画ができるかどうか、疑わしい。しかし、生半可なリストラ計画ではメガバンクを説得できるはずもなく、またぞろ政府保証を付けるか否かでもめる可能性が高い。
支援機構と国が支える格好となり、静かになったかに見えるJAL問題は、再び政治を巻き込んだ大乱闘に発展しそうな気配である。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 津本朋子)