日経新聞の最終面「私の履歴書」の
投資家としての正しい読み方
もうひとつ、半歩先読みの手法の一つとして、日本経済新聞を利用する方法をご紹介します。
日経新聞の大好評連載のひとつは、最終面に毎日連載されている「私の履歴書」です。これは各界の著名人が、自らの人生を振り返って綴る、まさに履歴書です。
芸能界や、スポーツ界など様々分野の著名人が、毎月月替わりで登場するので、1年間に12名の方が連載されることになります。この中で、実業界から数名の方が掲載されます。基本的には現役を退いた元経営者の方が参加されます。
2013年度は、実業界の方が多く、
2月:馬場彰(オンワードホールディングス名誉顧問)
4月:渡文明(JXホールディングス相談役)
6月:篠原欣子(テンプホールディングス社長)
といった方々が連載をされていました。
日経新聞としては、最終面に上場企業の経営者の「私の履歴書」が掲載されている期間に、1面やその他の面にその企業の「業績悪化」や「不祥事」の記事が掲載されるとまずいので、そんなことがなさそうな銘柄の元経営者に執筆をお願いし、掲載タイミングを計って掲載すると思われます。
半歩先読み(裏読み)するならば、「私の履歴書」に上場企業の元経営者が掲載された場合、連載の期間は特にその出身企業については、「業績悪化」や「不祥事」などのネガティブな記事は掲載されにくく、逆にポジティブな記事は掲載されやすい可能性が高いということが推測されます。
今年、掲載された3銘柄を連載最初の営業日の始値と、その後3ヵ月間の高値を比較検証してみました。
【8016】 オンワードホールディングス(東証1部)
2月始値700円、その後3ヵ月間の高値971円 上昇率38.7%
【5020】 JXホールディングス(東証1部)
4月始値526円、その後3ヵ月間の高値592円 上昇率12.5%
【2181】 テンプホールディングス(東証1部)
6月始値2350円、その後3ヵ月の高値2727円 上昇率16.0%
3銘柄とも、大きく値上がりしていることが判ります。
この9月の「私の履歴書」には、オリックスの宮内義彦会長が登場しています。
【8591】 オリックス(東証1部)
9月始値1329円でスタートしています。さて、今までの3銘柄同様に、今後堅調展開となるか、要注目ですね。
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