株価は日々、需要と供給で動くものです。投資家がいちばん見ている情報源は日経新聞ですが、個人投資家がそれに一喜一憂すると痛い目に…。Yahoo!ファイナンスの株価予想、単独トップの39連勝!2012年勝率No.1の「相場の福の神」が、知っておくとトクする教えを皆さんに授けましょう!(これは、最新の著書からの抜粋した内容です。)

日経の1面トップは要注意!
好材料で飛びつき買いは命取り

 日経新聞の情報を活用するには、毎朝のチェックが不可欠です。今の時代は、たいていのニュースをネットで見ることができるので、
「あえて翌朝に配信される新聞の情報を、読まなくてもよいのではないか?」
と考える方もいらっしゃるかもしれません。

 しかし、新聞にはネットにはない「見出しの大きさ」という情報があります。見出しの大きさでニュースの価値がわかるとともに、マーケットの関係者に与える影響の大きさもわかるのです。影響の大きさは値動きも左右します。

 しかしだからといって、日経1面に大きく出たニュースで買うのは避けたいところです。

 ある朝、日経新聞の1面を見たところ、ある上場企業のポジティブな記事が掲載されていました。初心者はこうした好材料を見て、飛びついてしまいがちですが、その前に落ち着いて考えてみましょう。

 まず、基本的に投資家は機関・個人を問わず、朝は買いから入る人が多数です。そして、日経新聞は大多数の投資家が目を通していますから、この話はほとんどすべての投資家が知っていると考えるべきです。また、現金さえあればほとんどの投資家が買い参戦可能です。

 一方、すでにその銘柄をもっている投資家は、「俺がもっているこの銘柄はこれから上がるから、高値がついたら売ってやるぞ」
と、思っています。

 ですから、1面の好材料に飛びついて買うと、短期的には高値掴みの可能性が高くなります。特にチャートをチェックして、既に上昇トレンドで高値圏にある場合、好材料出尽くしとなるケースが多いので注意しましょう。

 特に個人投資家であれば、平日のニュースには「反応しない」くらいのスタンスでいた方がいいかもしれません。

 たとえば、2011年8月4日の日経朝刊で1面トップに「日立・三菱重工統合へ 2013年春に新会社」との大きな見出しが出ました。巨大インフラ企業の誕生かという期待が盛り上がり、日立製作所【6501】、三菱重工業【7011】ともに一時、買い注文が殺到し、株価が上昇。ところが三菱重工側がすぐに否定、実は日立や新聞記者の勇み足であることが発覚したのです。結局すぐに株価が下がってしまい、そのとき高値掴みで買ってしまった投資家は痛い損失となりました。

 でも、こうした例はよくあることです。ですから、色めきたって飛びつかないことが賢明な判断といえるでしょう。本書にも書きましたが、狙うべきは小さなニュース。増配、復配などの小さいニュースは、その会社の利益が増えて株主に還元しているという場合がほとんど。株価が割安で放置されていたら、すかさず買って、しばらくおいておくと、業績に連動して株価も上がってくるはずです。