Yahoo!ファイナンスの株価予想、単独トップの39連勝!2012年勝率No.1の「相場の福の神」、藤本誠之氏。本にも書きましたが、人より半歩先読み…先回りすることで、勝率がアップする秘訣を伝授しています。そんな知っておくとトクする「イベント」が起きたとき、どうすればいいのか、という教えを皆さんに授けましょう!
前回はオリンピック銘柄でしたが、今回は、10月に実施される「日経平均の構成銘柄の入れ替え」についてです。

どの株が採用される?
日経平均銘柄の採用発表は9月の上旬!

 まいど、相場の福の神こと藤本です。前回は、東京オリンピック関連銘柄についてご紹介しましたが、実は9月の前半には株式市場に大きな影響を与える可能性のあるイベントがもう一つあります。

 日経平均株価の銘柄入れ替えの発表です。日経平均の構成銘柄の定期入れ替えは、毎年10月の第一営業日です。この発表が例年9月の初旬にあるのです。

 なぜ、この発表が株式市場に大きな影響を与えるのでしょうか?
「39連勝!「相場の福の神」が教えるザクザク株投資術」の中でも、かなりのページを割いてご説明したことのひとつに、株式市場では誰と戦っているのかを意識して敵行動しましょうとご提案しました。

 株式市場には、皆さんのような個人投資家のみではなく、外国人投資家、機関投資家など、様々な投資家が存在します。そして、それぞれの投資家ごとに、強み・弱みがあります。敵の弱点をうまく活用することが出来れば、株式市場で勝ち組になることは、たやすいはずです。この銘柄入れ替えはまさに、その敵を意識して動くことが吉と出るでしょう。

 まず、機関投資家の運用手法には、以下の2種類があります。

 (1)アクティブ運用

 個別銘柄の分析に基づいて、インデックスを上回るような投資成績を目指して運用することです。

 (2)インデックス運用(パッシブ運用)

 ある特定の株価指数(インデックス)に連動させるように行う投資手法です。インデックスと同じ投資成績を上げることを目指して運用を行います。

 この2つの中で注目すべきは、インデックス運用(パッシブ運用)です。何故なら、このやりかたは、ある株価指数(インデックス)に連動させるように、ある程度機械的に売買することになるからです。

 現在、日本株式市場でインデックス運用の指標とされる株価指数で、主に国内投資家が利用するのが、「日経平均株価」と「東証株価指数(TOPIX)」です。

 ちなみに外国人投資家が主に利用するのは、MSCIインデックス(MSCI Barra社が算出・公表している株価指数の総称)です。先進国やエマージング国、各地域や各国別、産業別や業種別など様々な指数があります。

 この機械的な売買は「インデックス買い」とか「インデックス売り」などと呼ばれます。「インデックス買い」とは、インデックス(パッシブ)運用のファンドが特定の株価指数に連動させるように株式を売買するときの買い注文のことです。買われる銘柄があれば、逆に売られる銘柄もあります。それがインデックス売りです。

 新規上場などの場合、インデックス買いはその新規銘柄に集中しますが、インデックス売りはそれ以外のすべての銘柄を幅広く薄く売るので個別銘柄へのインパクトは小さく、あまり目立たないことが多いようです。

 直近、このインデックス買いによって、株式市場に大きな影響があった例として、今年7月16日の東京証券取引所と大阪証券取引所の現物株の市場統合がありました。

 大証1部単独上場、つまり東証には上場していなかった37銘柄と、大証1部・東証2部の変則上場であった「関西スーパー」の合計38銘柄が、現物株市場統合により7月16日に新規に東証1部に上場することになったのです。東証1部に上場するということは、東証1部の全銘柄を対象にしたTOPIX(東証株価指数)の構成銘柄になります。

 今回の現物株市場統合では、統合のインパクトを軽減するために、8月末と、10月末の2回にわけてTOPIXの構成銘柄となる予定です。

 この旧大証銘柄(38銘柄)の平均パフォーマンスと日経平均株価のパフォーマンスを比較したものが、下記の図になります。

9月6日が本命!?<br />日経平均銘柄の採用発表で動く株!BloombergデータよりSBI証券投資調査部作成
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 これから起こるインデックス買いを期待して、日経平均を大きく上ブレしていることがわかります。同様に、日経平均株価の銘柄入れ替えでも起きることが想定できます。

 日経平均はTOPIXと違い、225銘柄。その銘柄が発表されるのが9月上旬で、その後、組み入れられるのが10月の第一営業日なのです。その銘柄が組み入れられたら、日経平均をベンチマークとした多くのインデックスファンドは必ずその銘柄を購入します。ですから組み入れ予定の銘柄を買っておけば、株価が上がる確率は高い…ということです。