リーダーシップと意思決定が社長に残された最後の役割

 また、どんなに分業を進めたとしても、最後の最後まで社長に残る役目があります。それは、リーダーシップの発揮という重要な役目です。

 これ以外の社長が果たすべき役割については、社長の意思決定と事業の管理を支える体制づくり、企業にとって必要なしくみの整備を推進させる機能づくりを上手に行うことによって分業は可能です。

 社長のパフォーマンス、すなわち会社のパフォーマンス向上に大きく貢献させることができます。

 事業・市場・社内のことが的確に把握でき、感じとれるしくみと体制があれば、会社を動かして、存分に、社長の前向きな想いを形にしていくことができます。

 あえて言ってしまえば、「トップまわりがしっかり機能すれば、あとはトップ次第でスティーブ・ジョブズにもなれる」ということです。

 トップが正しくリーダーシップを発揮するための参謀機能を中心とした体制づくりは、第1段階の成長を経たすべての会社の、次なる発展のために必須なことなのです。

(おわり)


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