「仕事は楽しく遊びは真剣に」

なぜコレクターとして食ってこられたのか?<br />なぜ東京ディズニーランドは成功したのか?<br />―――情熱をもって仕事をすれば、人生が変わる【北原照久氏×渡邊喜一郎氏】(後編)

渡邊 北原さんはディズニーキャラクターのコレクションでも日本一と言われていますが、『トイ・ストーリー3』に出てくる日本人コレクター、あれは北原さんがモデルなんですよね?

北原 そうみたいですね。『トイ・ストーリー』を監督したジョン・ラセターとは仲が良いんです。

渡邊 その人脈もすごいですよね(笑)。ディズニーがどんなイベントやろうとしても、コレクションの数では北原さんには敵わないでしょう。コレクションはどうやって集めるんですか?

北原 私はコレクターに必要なのは「情熱と情報」だと思っていて、情報は当たり前なんですが、何よりもまず大切なのは、好きなことにときめくこと!それが第一歩であり全てです。

 フロリダのディズニー・ワールドで行なわれたディズニーグッズのコレクション、すべて私のコレクションを展示したのですが、ジョン・ラセターは私のそういう「ときめき」をよく知っていて、「Tin Toy Stories Made in Japan」というタイトルを付けてくれました。

渡邊 大好評で、当初の予定よりも長く開催されたんですよね。

北原 ありがたいことに、そうなんです。「どうしてひとつのことに突き抜けて生きてこられたのか」、とよく聞かれますが、その理由は簡単です。この本の中にも、渡邊さんが「ディズニーランドが好き」という気持ちだけで商社の内定を辞退して、当時まだ無名のオリエンタルランドに入社したというエピソードがありますが、自分の好きなことに素直に行動することがすべてなんです。

渡邊 アメリカのディズニーランドはよく行っていましたから、「こんな楽しいところで働ける、しかも入場料金を払わないで毎日行ける、入社するしかない!」と。本当にそれだけでした。仕事は楽しくて仕方がありませんでしたし、休日でも関係なく会社に行ったり、アメリカから来た同僚や上司と遊んでいました。オンオフの切り替えなんて考えてもみなかったですね。

北原 「仕事は楽しく遊びは真剣に」ですね。

渡邊 私と北原さんには共通の友人がたくさんいますが、みんなまさに「仕事は楽しく遊びは真剣に」で、ちょっと変わっていますね(笑)。どう変わっているかというと、それぞれ好きなことに全力投球して、突き抜けて、結果的にそれを仕事にしてしまった人ばかり。

北原 私は「波動」というものがあると思っています。人の輪は、考え方や生き方、遊び方などが似ている人たちがつながってできるじゃないですか。私たちは、いくら夢を追っていても根底に仕事がないと人生楽しくならない、という考え方=波動なんです。

 よく「論語と算盤」だとか「道徳と経済」とか言いますが、やっぱりどんなにいいことばかり言っていたって、経済が伴わないといけない。お金も稼がなきゃいけない、でも稼いだら使っちゃおうぜ、みたいな生き方が好きなんですね。お金は使うためにあるんですから。

渡邊 本当にそうですね。いつも本当に勉強になります。今日は本当にありがとうございました。


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