「首をかしげている」「顔をしかめている」。たとえ言葉にならなくても、心の声は、必ず何かしらの形で出てきます。さて本日のテーマは、部下の「隠れたサイン」です。そうしたサインの中にこそ、部下だけが知り得る「現場の事実」が隠されています。

”部下の表情がイマイチ冴えない”
「サイン」を絶対見逃さない

 以前、私の部署でこんなことがありました。あるとき、たばこの売上をアップさせるために「10個まとめ売りを推進しよう」という方針を本社が打ち出したのです。具体的には、ワンカートン(10個パック)を買ってくれたお客さまには、何かしらのノベルティグッズをつけて販売しようというわけです。

 その戦略を、腹心がチームのメンバーに話していたのですが、あるメンバーの表情がイマイチ冴えません。私は黙って観察していたので、そのメンバーの表情の異変にすぐに気がつきました。

 そこで私は、その部下に「ノベルティグッズを投入しても、10個パックのまとめ売りは難しいかな?」とさりげなく聞いてみました。

 すると彼は「どうでしょうね。まとめ売りはいいんですけど、実際の現場では肝心のノベルティグッズがうまく活用されていないと思うんですよね」と言ったのです。