たまに自分でも驚くほど綺麗な風景写真がスマートフォンで撮れることがあると思うが、これからそんなときはいっそのことTシャツにして残しておくのはいかがだろうか?
Snapteeは、香港を拠点とするSnaptee Ltd.が今年8月から運営するTシャツのデザインアプリ兼マーケットプレイス。iOS端末向けのアプリとして展開され、ユーザーが撮影した写真などを使ってデザインされたTシャツが30万点以上売りに出されている。
一番の特徴は、画像共有アプリInstagramに写真を投稿するぐらい簡単に、誰でもTシャツをデザインし販売できること。
まずユーザーはアプリを起動し、カメラボタンをタップする。その場で写真を撮影して使いたい場合は「カメラ」を、過去に撮影した写真を使いたい場合は「写真アルバム」を、写真だけではなく文字だけのシンプルなデザインにしたい場合は「テキスト」を選択する。Instagramと連携させて過去に投稿した写真を使うこともできる。
もっとも利用するシーンとして多いであろう「写真アルバム」を選択した場合、次にスタイルを選択する。Tシャツの前面に写真をプリントする際、それをどのような形で切り取るかを決めるフレームを約22種類の中から選ぶ。
次に、写真を加工するフィルターを7種類から選択。あとは、写真の色の濃さや明るさなどを調整し、最後に追加するテキストなどを入力すれば販売の手続きは完了。購入者がデザインをさらに加工(リミックス)できるよう許可することもできる。ここまで筆者も試してみたが、3分もかからなかった。
ちなみにTシャツの素材は、100%オーガニックコットン。男性、女性、そして子ども向けサイズにも対応している。
販売されたTシャツの価格は約20USドル、通常の配送料は世界中どこでも約5USドルで、販売者にはTシャツが購入されるたびに売上の10%が利益として還元され、100USドルに達した時点でPayPalを通じて送金が行われる。
実際にSnapteeでTシャツを作って買ってみた人に話を聞いた。
まずは、サービスの魅力について。「自分が作ったデザインが売れるとインセンティブがもらえるという、デザインを投稿する人のモチベーションの引き出し方と、デザイン(フレーム)の制約の設け方が絶妙。誰が作ってもある程度のクオリティに仕上がる一方で、ユーザーのやり方次第では凝ったデザインもできる。そのバランスがいい感じ。加えて値段が安い。まるでプリクラ感覚で使ってしまう」
実際に届いたTシャツの質はどうだろうか。「Tシャツの素材のクオリティも悪くなく、着心地もそれなり。写真のプリントもしっかりしているので、悪い印象はない」と評判は上々だ。
TechCrunchが報じたところによると、ユーザー数は45ヵ国13万人以上。上位市場はアメリカ、日本、ドイツ。今後は、企業やブランドとのパートナーシップを築き、オーストラリア、イギリス、韓国、東南アジアを開拓するという。
Snapteeは一般人をデザインに目覚めさせることができるのか、今後の成長に注目だ。
(岡 徳之/Noriyuki Oka Tokyo & 5時から作家塾(R))