タブレット上の空論では
勝てない

  各国同じようにデータを持つ中で、いかにして差が生まれるのか?

  実はデータは、非常にデリケートで「アナログ」なものなのです。同じ数字であっても、それを見る「人間」によって、捉え方や切り取り方も千差万別。つまり「人間がどうデータを咀嚼し、行動するか」によって、結果は大きく変わるのです。

  状況的には実際の試合も観ないで、入力されたデータだけを分析することもやろうと思えばできるわけです。しかし、そこにある情報から何も浮かんでこないことも……。

  ドラマ「半沢直樹」で、主人公の半沢直樹が「銀行一データに強い」と言われる福山啓次郎次長に対し、「あなたのおっしゃってることは机上の……いやタブレット上の空論だ!」と詰め寄るシーンがありました。

  バレーボールの試合もまったく同じです。

  ただ数字を見るだけでは、見えてこないものが多々あり、そこに勝負を左右するような重要な「情報」が隠されていることも少なくありません。

  私たちアナリストが試合中もノートPCに向かっていることから、また、眞鍋監督の手元にタブレット端末があるからか、あたかも「データだけを見て試合をしている」かのように映ってしまいがちですが、実際は違います。

  自分の目や耳で感じたもの、足で稼いだ数字というものは、数字の奥に背景や感情、空気感みたいなものも見えてくるものです。

  勝負は「現場」で刻一刻、変化するもの。データを分析する人間として、「一次情報にアクセスすること」、つまり現場を見ることが何よりも大切なことなのです。

  次回は、「どうすれば現場に正しく『データが意味するところのもの』が伝わるのか」について、お話をしたいと思います。

  次回は11月13日更新予定です。


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勝つための統計学

日本初の全日本女子バレーボールチームの
情報戦略担当アナリストによる、チームを勝利に導く法

『データを武器にする』
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